はち
情報通信
銀行担当SE
2000.1.6
企業の中には、無駄が沢山ある。なぜ、無駄が発生するのか。そこに働いている社員の時間、経費、労働に関する「コスト」の意識が希薄だからではないだろうか。
「コスト」には、社員が使っていることを「意識しているコスト」と「意識していないコスト」がある。それぞれの コストを削減するにはどうしたらいいのであろうか。まず、なぜ社員にコスト意識がないのかを考えてみたい。
企業というものは、社員に投資をしている。つまり、様々な経費、コストをかけている。
・働く環境つまり事務所を維持するための経費(家賃、設備費、冷暖房費、等)
・福利厚生費など(通勤費、各種手当て、年金、健康保険等)
・教育、研修費(最新技術、業務知識、ノウハウ習得のための教育・研修費等)
・その他
このように社員は、企業に存在しているだけでは、企業にとって負の資産になるのである。社員は、企業のために利潤を生んで初めて企業にとって存在価値が生まれるのである。それが、働くということである。しかし、この大前提を忘れて、経済的な安定にあぐらをかいている社員が、増えてはいないだろうか。会社にいるだけで、お給料がもらえると勘違いしていないだろうか。
企業の規模が大きくなればなるほどこの感覚マヒが進んでいる社員の数が多いのではないか。
企業は、利潤の追求を目的として日々活動している。利潤の最大化をはかることは、売上を最大化することであり、一方では、売上達成のために掛かる経費を最小化することでもある。
ほとんどの社員は、業務にあたる場合に、売上を増大するという目標達成については、常に頭において業務にあたっている。しかし、業務遂行時に、売上増大と同時に、経費、つまり「コスト」の最小化を意識して目標達成にあたっている社員が、いったいどのくらいいるだろうか。
一家の家計について考える時、収入の増加は、それほど期待できるご時世ではないので、まず、支出を抑えることを考える。それぞれの支出の必要性や、額、支出の時期の見直しをすると共に、公共料金等の固定費から習慣的に無意識に浪費している「目に見えない無駄」を排除するというのが家計の健全化の定石である。
人のいない部屋の電気を消すとか、コンセントをまめに抜くとか、長電話をやめるとか、日常何気なく浪費している、水、ガス、電気、電話等の使い方の見直しが肝心だ。一回の無駄は些細なものだが日々積み重なると思いのほか大きな額になっているのである。
企業についても家計と同様で、企業内の日常些細なコストの見直しが大きな無駄の排除につながり、ひいては企業の利潤に結びつくのである。「コピー、印刷等紙媒体への出力の必要性」、「電話、FAX、携帯電話、等の通信費」、「残業、休日出勤等の必然性」などを見直す必要があのではないだろうか。
家計は、奥さんがやり繰りしてくれて当たり前で、他の家族は、知らんぷりということがよくある。同じような状況が企業のコスト管理についてもいえるのではないだろうか。目標達成のプロセスで日常の些細なコストについては端から認識になく、あったとしても誰かがやってくれているという「あなたまかせ」の企業文化が、コスト削減の努力を怠っている背景にある。