Q. 国の借金って
どうやって返していくんですか
りえこ 国の借金ってどうやって返していくんですか。
運営者 うーん、いきなりそこから来たかあ……。 返せません。
りえこ えー、どうするんですかそれは。
運営者 まりちゃんはどうしたらいいいと思う。
まり 国債は、国家予算から払って返していけばいいんじゃないんですか?
運営者 だけどさあ、日本政府の借金は、明らかな分(隠れ借金を除いて)だけで、今年度末に666兆円になるんだ。国家予算てのは年間80兆円で、そのうち国債費は30兆円だから、税収分の残り50兆円で返していくにしても13年間分。その間、公共事業も社会福祉もできないし、公務員の給料がゼロになっちゃうということだからね。税収が突然100兆円になるほど景気が良くなれば話は別だけど、そんなのは夢物語で、これは事実上返せないということだよ。小泉さんが声を枯らして果敢に挑戦してるのは、なんとかこれ以上増やさないようにできないかということだからね。しかもそれもどうやら難しいみたい。
よくインフレ論が最後の手段と言われるよね。インフレになれば、借金の値打ちが下がる。例えば、今の6倍のインフレになれば、借金の実際の値打ちは現在の110兆円ぐらいになるわけだから、こうなるとなんとか返せそうな気もするかな。
だけど、この目の前に置いてあるコカコーラのペットボトルが、300円なんだけど、今の6倍のインフレになればこれが1800円になっちゃうということでね。これが1800円だとすると、ちょっと買わないよね。
そうすると、コカコーラが売れなくなっちゃうから、作っている会社はだんだん儲けが少なくなって、リストラをしないとやっていけないということになるよね。あらゆる業種でそういうことが起こるから、やっぱり景気はどんどん悪くなっていっちゃうね。そうするとリストラされて再就職しようと思っていろいろ探すんだけども、勤め先がない。だからみんな困っちゃう。結局ますます税収は減って、国家予算で借金を返すことはできなくなるよ。当然だよね、楽して借金が帳消しになるはずがない。
それ以前に金利が少しでも上がれば借金の多い企業はどんどん潰れちゃうし、円の値打ちも下がるから、海外旅行にも行けなくなっちゃうよ。
まり そうですねー。
運営者 だけどさあ、本当は人間はちゃんと働いていれば、食べていくことはできるはずなんだよ。
仕事ってのは、自分が働くことによって価値を生み出すことなんだよ。働くことで何かしらのプラスをつくって、それを他人が消費してくれるというのが基本だね。
消費する側のお客さんは、いろんなものを選択して使っていくわけで、そのように市場で競争が行われているというのが市場主義の考え方。だからお客さんが買ってくれるような価値を生産していれば、普通は9時から5時まで働いていれば、一家4人を養っていくことはできるはずなんだ。世の中そういうふうにできてるはずなんだ。
ところがそういう意味の価値を生み出していない人が多くなり過ぎちゃったんだよ。公務員は500万人いるんだけど、この人たちは、基本的に生産性が低いよね。それから、税金にぶら下がっている公共事業関係や特殊法人、そういったところから仕事をもらっている人たち、こうした人たちは、市場主義による配分のルールからはみ出ているので、効果のない仕事をしていることが多いんだ。