他人からも、組織からも、親からも
「自立」せよ
運営者 君たちの周りで、どうでもいいやと思っている人たちというのは、彼らの責任だけじゃないよね。その人たちの親が、あまりにも問題意識がなさすぎるんだと思うよ。
まり 両親の意識への影響のは、ものすごく大きいと思いますよ。
運営者 まりちゃんの両親は、なかなか厳格みたいだね。
まり 厳格ではないんですけど、ちょっと理不尽なところもあって、どうしても……。
運営者 だけど、理不尽も悪くないんだよ。両親との間にそのような精神的な相克がなければ、精神的な成長はできないもんだ。両親の、特に母親の精神的な支配というのは、君たちが思っている以上に、心の奥底に刷り込まれているからね。子供の時から慎重に、かつ延々とインプリンティングされてるから、なかなか気がつかないんだよ。親との相克は、その殻を発見して打ち破るきっかけになるはずだよ。
りえこ それは、すごくよくわかります。
運営者 それを母親に言っても母親は理解しないんだよ。だって刷り込んだ当人なんだから。間違って刷り込んでいるケースの方が、世の中圧倒的に多いからね。
りえこ いろいろ悩むこともあったんですけど、でも、今ではそれも客観視できるようになりました。
運営者 それは早い。僕なんか、克服するのにずいぶん時間がかかったからね。
話を縮めて言うと、自分というのは結局、親から離れて生きていかなければならないという、それだけの話なんだけどね。
どうやら、親が子離れしてないケースの方が多いように思うよ。親のパーソナリティーによって、いろんなケースがあるんだろうけど、基本的にはそれを突破しないと、大人になることはできないわけ。
やっぱり、女性の方が早いのかな。母親と娘の精神的なつながりというのは、男には絶対に分からないものなんだよ。
だから、精神的に独り立ちをするだけでも、ずいぶんいろいろなプロセスを踏まなければならないんだね。そう考えると、ボーッとしてるというのは、ほんとにまずよなと思うけど。
りえこ ボーッとしてる子の場合は、親が過干渉なことが多いかもしれません。
運営者 だけど、彼らに変化してもらわないと、国の借金はどんどん増えちゃうからね。国自体が国民に過干渉なんだから、この国は。
彼らが変化するためには、本を1冊渡して、「この本を読んだらすべてわかりますよ」、なんて言ったってダメだからね。本人自身が気がつかないと、人間は絶対に変わることができないんだ。彼らを見捨てて、そう言ってるわけじゃなくて……。
まり 手段がないってことですか。
運営者 気づきなんだよ。自分で、「あっ、そうか」とひざを打ってわからなかったら自分から内発的に変わるということはできません。
僕はジャーナリストだから、ものを書いて人にそれを伝えようと努力してるし、そういうものを書くようにしてるんだけど、やっぱりどうしても限界性があるよね。言葉で伝えられるものというのは、ものすごく少ないんだよ。メラビアンの法則だと、言葉で伝えられるものって、意味全体の7%しかないからね。7%のもので、全然考え方の違う人たちを説得しようとするのは、到底無理だということだよ。
まりちゃん