自分を認めてもらえた瞬間
銀行 楽しいのは、自分で勉強して、お客さんの所に行ってセールスをして、何度か通った時に、「"銀行さん"だから」と言ってもらえたときですね。
運営者 相手に自分を認めてもらえた瞬間だよね、仕事してる自分というか、プロとしての自分を。
銀行 そうですね、「私だからお金を任せてくれたんだ!」と思った瞬間は、すごくうれしかったですね。
金額としては、先輩方に比べたらまだまだなんですけれど、それはすごくうれしかった。先輩も、「がんばったね」と言ってほめてくれたし。
運営者 君にお金を預けてくれた人は、別にその人のお金じゃないんだけどね(笑)。
銀行 そうですね、会社のお金なんですけれど。でもやっぱりいろんな金融機関が入っているので、どこに預けてもいいはずなんですよ。そういう中でうちを選んでくれたのは、担当者とのお付き合いということになるので
運営者 なぜ預けてくれたんだと思う?
銀行 そうですね。やっぱり情報提供を一所懸命して、何かを尋ねられたときにすぐに上司に相談して、お客さんの期待に応えられるようなレスポンスをすることができたということがあったと思います。
それから資料を渡すときに、もともとあった資料を自分でさらに分かりやすくして作って渡したら、「今までのものよりも分かりやすい」と喜んでもらえて、そういった工夫がもしかしたら効果があったのかなと思っています。
まだまだいっぱい勉強しなきゃいけないことがあると思うんですけれど・・・。
運営者 いやーいいよ君たちは、少なくとも先輩に恵まれていて。僕の場合は、いい先輩っていなかったもん。僕に仕事を教えてくれたのは、外部のプロの人たちだったよね。というのも、組織の内部に「知」を貯める仕組みがまったくない会社だったから。文春や新潮といった会社の話を聞くと、差が歴然だった。だから君たちの話はものすごくうらやましいよ。
僕がここんとこ書いてきた本っていうのは、僕がまだ仕事がぜんぜん分からないときに、「こういう本があったらよかったのになぁ」と思うような本を、自分で書いているっていう感じなんだよね。
いい先輩がいたらそういうのは必要ないんだもん。しかも自分の職種にぴったりフィットしたアドバイスがもらえるわけだから。
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