「会社が株主のもの」なら、
無能な社員は去るしかない
運営者 リスクを判断する能力がないわけだから、金貸しとして一番稼ぐことができる能力を全く忘れてしまっているわけだ。
これじゃ生きていくことはできないよね。ところが、そういう産業に従事している人たちが何十万人もいるという怖ろしい話なんだよ。しかもさ、昔は給料がよかったもんだから、今もその流れて給料がいいんだよね。これはヤバイだろう。
まり プライドも高いですよね。
運営者 プライド高いだけど、「じゃ、何ができるの?」っていう話だよ。
りえこ 投資銀行というのは、これから日本でもできるんですか。
運営者 日本人にはムリだと思うね。金融業のその辺の一番おいしい部分は、悔しいけど外人にやらせるしかないと思うよ。外人にやらせて、ノウハウをいただくしかないね。イギリスでも、金融ビッグバンをやったらそういう銀行はほぼ全滅してしまったからね。米系か大陸系になってしまった。仕方ないよ。ただし金融のルールや仕組みはイギリスで作られてるものが多いんだけど。
まり メリルリンチみたいなところって、危なくはないですか。
運営者 だから、その危ないリスクを取っていくのがビジネスなんだって。それは悪いことをしてもいいっていう意味じゃないんだよ。自分がリスクを引き受けて、リターンを取っていくということ。それができなかったら、それはもう生きているとはいえないというのがビジネスなんだ。
まり だけど、収益見込みに対して実績が届かないと、大変ですよね。
運営者 実績が悪ければ、経営者はやめればいいだけの話だよ。それで、新しい経営者を連れてきて、人員整理もやって戦線を縮小して、また株主にきちんとした配当ができるようになるまで頑張って、それができるようになったらまた人を雇って大きくなっていく。うまくいかなくなったら、また経営者をクビにするという繰り返しをやっていけばいいんだね。
で、ここにある根本思想は何かというと、「会社はだれのものか、それは株主のものである。経営者のものでも、社員のものではない」ということ。だから、オーナーである株主に配当ができないならば、どんな経営者でもクビになってもらうしかないわけ。
僕らが就職する時の感じだと、まさに「社会人になる」ということは会社に「就社」するということであって、その会社というのは一生の居場所という感じだったんだけど、最近だとみんなどう考えてるのかな。
りえこ 総合職の人と、一般職の人で違うと思うけど、一般職の人だと居場所だと思ってる人も多いかも。
まり 総合職の人だと、会社はスキルを磨く場だと思っているし、活躍の場所だと思ってる。
りえこちゃん