■ 酒場
黙って飲んでいられるアンビエンスを<br>
提供をしてくれ(2)
運営者 雅子さまは、銀座のクラブなんか行くことあるんですか。
雅子さま 入社してすぐの時は連れていかれました。「勉強だから来い」といわれて、それで店の女の人に「ヘルプの人ですか」なんて聞かれて。当時はケバかったんです、想像つかないと思うけど(笑)
運営者 「何でオヤジはこんなものが好きなんだろうか」と思いませんでしたか。納得できますか、あのサービス。
雅子さま でもね、お店にもよるんですけれど、ちゃんとしたお店に行くとホステスの人で、ものすごく機転の利いた会話をする人がいるわけですよ。「ああこれなら来たくなるのはわかるな」と思いましたね。
運営者 「奥さんにはこれはないだろうな」、ということですか。
雅子さま 「毎日、日経新聞をはじめとして新聞全紙に目を通して来る」と、仲良くなったお姉さんは言ってましたよ。毎日美容院に行ってると言ってたし。
運営者 そうですね、それをやっているクラブは数は少ないのですが、まだあると思いますよ。新聞を読むだけでなくて、流行している本や映画、芝居は必ずチェックをしているみたいですね。文壇バーみたいなところにいくと、そのへんはかなりしっかり頑張っていますよ。
新さん そういうところは絶滅に瀕しているけどね。銀座でも7丁目もなくなって、8丁目にわずかにあるくらいかな。5丁目6丁目は全滅だな。
運営者 「グレ」ですら値下げしているらしいんですよね。
新さん だけど別に行きたくないもんな。行っても面白くないもん。それに自分の金じゃ払わないし。
運営者 一度として払ったことないですよ。
雅子さま だって理解できないですよ、お客さんの方が女の子に気を使ってるんだもん。
運営者 ホントですよ、「あれっ、オレ接待されるために来たんでないの?」と思うときがありますよね。
接待される側というのは、「接待されてあげよう」と思っているわけですから、「これじゃ接待されてないな」と先方が思ったら、先方が気を揉むじゃないですか。