爆笑! 四酔人サイト問答
新しいメディアは生まれるか(1)
運営者 多分、家に帰ってテレビのスイッチを入れるように、パソコンを立ち上げるとテレビを含めたすべてのメディアにアクセスすることができるようになるでしょう。ここにいる4人は、ブロードバンドになったからといって、動画の配信をするかどうかはわかりませんが、その辺どうでしょうか。
師匠 オレ今度、家の接続をADSLにしたんだよ。しかし、「だから何なんだ」と思ってるんだ。確かに速くなることはなったよ。おそらく一般の人は、ブロードバンドになって見るのってテレビだと思う。じゃあ、今のテレビとどこがどう違うのと。コマーシャルも流れたりして。
インターネットはアメリカの国防システムが解放されたものだけど、一種プロ同士で意見の交換ができる人数というのは、人口の中で一定程度に決まっているんだよ。そうすると日本人全員がインターネットを自由に活用できる世界を思い描くのは行き過ぎだと思うんだ。
かんべえ 昔聞いたことがあるんですが、哲学の本って、日本で理解できる人口は最大で1万5000人なんだそうです。
浅田彰の『構造と力』が10万部売れたということは、9万人ぐらい分かっていない人がいるということで。
師匠 「選択」の3万人というのはいいところ行ってるね。とすると、インターネットも難しいことを理解する人の数という意味では、せいぜい3万人がいいところじゃないかと思うんだ。ネットバンキングとか実用面はまた違ってくるけど。
運営者 ただね、インターネットはすべてのメディアを吸収し、テレビもマンガも見られるようになるでしょう。だからパーソナルなコミュニケーションもそこに入ってくる。それが同じディスプレーに表示されると。
かんべえ それとブロードバンドのいいところは、郵政省からフリーであるということ。極端な話、放送禁止用語を連発しても問題はないわけです。
師匠 いいじゃん、TV番組だって簡単に個人が作ることができるようになるよ。安いデジタル動画カメラも出てきているし。このメンツでやろうよ。せっかくだから、なんかそういうのやってみようぜ。コンテンツは結構あるわけだから。それをブルームバーグみたいに繰り返し繰り返し放送すると。ブロードバンドになったら出来るよ。
運営者 われわれは格付けができる、価値判断ができるメディアであるということであればいいなと思いますよ。
師匠 じゃあマスコミを格付けしようよ。
かんべえ いいですね。「日本のマスコミ、いかがなものか!」。
運営者 抹殺されそうな気がするんですけど。
師匠 「ドラジレポート」ってアメリカにあるじゃない。マスコミとはぜんぜん関係のないルートで情報を集めてくる。でね、完全匿名にしてサイトをリンクをしあって、「今日の新聞の記事はここがひどい」とかって、誰が書いたか分からないようにするんだよ。ネット版「選択」。
その日のマスコミの報道で特にひどいところを叩くと。
かんべえ メディアご意見番による教育的指導。いいですよね、「12人の怒れる男たち」が怠惰なジャーナリストを採点する。
運営者 じゃあ僕はプレジデント専門に叩くかな。一発でバレちゃうか。編集担当者の名前まで書いてあったりして。
かんべえ 内部事情に詳しい者の犯行であると。
田中 僕は昔から言っているように、記者の署名性を高めるサイトならやりたいかな。「今日の○○さんは、こんなこと書いてます。でも、3カ月前は全然逆のこと書いてました」みたいな。それを批判する方が匿名でいいのかっていう問題はあるんだけど(笑)。師匠も通信社にいたから、よくご存じでしょ。先日いただいたメールに書いておられた「日本のメディア一般の冷笑主義にも飽きたと」いう意見もよく理解できますが。
【ご注意】 この座談は2001年に行ったものです。内容が古くなっているカ所がある可能性があることをお断り申し上げておきます。