爆笑! 四酔人サイト問答
お見合いしすぎた? 岡本呻也(2)
かんべえ 見合いなんかしないで、それでいきなり最初に会った人と結婚してしまったら、「ああ、こんなもんかな」と納得するんですがね。
運営者 そうですかあ。
じゃあね、「だから不良債権を抱えていていいのか」とか、「だから配当があがらなくてもいいのか」とか、「だから株価が上がらなくてもいいのか」と、私はお訊ね申し上げているわけなんですが。
師匠 そういうことを相次いで問い詰められるとね、「そうですねぇ」としか言えないんだけど。(爆笑)
運営者 それじゃあ困っちゃうんですけど。
じゃあね、こういう言い方しましょうか。僕はね、ウルトラスーパー利己主義者です。自分のことしか考えません。一応カイシャには勤めていて、でもって仕事はたいしてせずに給料をもらって、その金はちゃんと利益を上げてくれる会社に投資してガチガチに文句を言いながら運用をして、出す方はモノも買わないし発言もしない、舌を出すのも嫌……、という生活をしていけば、自分を守って生きていくことはできるんでしょうが、でもそれじゃあ面白くないじゃないですか。
師匠 会社ってね、おもしろいんだよ。アイアコッカがフォード3世に嫌われてね、最後に一言言われたのが「お前が気に入らない」と。理屈なんかない面も確かにあるんだよ。
運営者 こういうのはどうですか。もしも18世紀後半のパリに師匠とかんべえさんしかいなかったら、フランス革命は起こらなかっただろう……。
師匠 君は本当に……、今の一言で、君の限界が見えたな。(爆笑)
かんべえ フランス革命をどう評価するべきかという質問を受けて、登小平がなんと答えたか知ってますか?「時期尚早」。
フランス革命はここ10数年ですごく評価が下がって、あれは失敗だったのではないかという意見が増えているんですよ。だから『ベルサイユのばら』的な歴史観はもう崩れちゃってる。歴史的には200年たってやっと冷静に見ることができるんですね。
運営者 数千という数の首がコンコルド広場のギロチンの下に転がってね、「完璧な成功だった」と言うのは難しいでしょう。それを批判することはいくらでもできる。しかしそれは共和制という全く新しい政体確立のための産みの苦しみであり、人類にとって貴重なことだったと僕は思いますけどね。登小平はもう少し封建制が続いて欲しかったのかな。
師匠 まあこの会合は岡本をイジメルという会合じゃないんだからさぁ。
運営者 いえいえ、もし話してみてお互いの間に埋まらない溝があるのであればそれは十分議論して見ていこう、万機公論に決しようじゃあありませんか。
師匠 価値観の差なんてあるに決まってるじゃないか。
運営者 そこの差がどうなっているのかというのを見極めなきゃいけませんよ。じゃないと面白くもなんともないじゃないですか。
師匠 埋まらないんだよ価値観の差というのは。生まれ育ちなんだからこれは。(爆笑)
運営者 非常に還元主義的な話なんですけど。 「現在において求められている価値とは何なのか」ということは常に考えなければならないことだと思うんですけど。
師匠 何なの、君にとってのその価値は。
運営者 えっ、そんなことをここで聞かれても……。非常に多岐にわたる話になりますので1週間くらいのお時間をいただけますれば……。
【ご注意】 この座談は2001年に行ったものです。内容が古くなっているカ所がある可能性があることをお断り申し上げておきます。