ダメ会社にいる新日本国社員の3つの選択肢
インタビュアー 飯坂彰啓
運営者 まあでも、不良債権はインフレにすればチャラにすることができる。貯蓄は国民が持っているわけだし、それはインフレになればどんどん目減りするとして、それでもまだそんな駄目な旧日本国のビジネスモデルで生産性が非常に低い会社が生き残っていて潰れないとすると全く話にならない。こういう会社を、潰さなければどうにもならないというのが結論なわけです。
滞貨一掃のための「滞貨の改新」をやらないと。
飯坂 こうなったら反対に、GDP 500兆円のうちの信用保証協会で10兆円出したということは、2%ですよ。税金でそれだけ載せるんだったら、それをもっと100兆円ぐらいに増やすというのはどうでしょうか。枠も増やして、20兆円にするとか、50兆円にしますとか。それでみんなゴルフ場で遊んだり、株を買ったりするというわけです。
運営者 そうやってインフレにする方が早いでしょう。
会社の中でだって、明らかに利害対立があるわけですよ。どっちにつくかという問題です。そごうの若手社員であれば、民主党につくだろうし、リストラ世代は自民党あるいは社会党系民主党と。このまま子会社に出向して、給料の補填をしてもらって、年金をもらってという感じで無難に生きたいと思っている人々と、「いやもう悪いけどあなたは辞めてください」とあっさり言いたい人々と。
飯坂 あとは、「ビジネスが儲かるか儲からないか」ということを度外視して、自分の生活設計だけで考える人と、「儲からなかったら仕事は意味がないんだ」と考える人の違いという対立軸があるでしょうね。
運営者 若手がそういう連中を辞めさせるための正当性というのは、仕事をしないくせに給料が高いという人に対して、「悪いけどあなたにはここに居る資格がないんだよ」と言いたいわけです、その時若手はどうするか。
選択1 株主を味方につけて反乱を起こし、古株を追い出す。
選択2 レミング的自殺。全員で大盤振る舞いをして、会社を行き着くところまで行きつかせて潰してしまう。巧まずしてこれをやっている会社が多い。
選択3 難破船からネズミが逃げ出すようにいち早く逃げてしまう。
選択1が、私が前の会社でやったことです。選択2は、最近つぶれかけのゼネコンでは「もうダメだあ」というので経費を使い放題にしているらしい。選択3もよく起きていること。
で、本来の業務で付加価値をつける能力を持った社員がみんな逃げ出した後で、残った社員が旧日本国人ばかりになると、今までのやり方しかできないから金融機関との交渉というのが社員の唯一の仕事になるでしょう。金融機関出身の社員が発言力を持ってしまうということです。それってもう、絶望的なことですよ。新たに金を稼ぐという算段はまるっきりなくて、ただ如何にして資金繰りをつなぐかということだけになると。
これ、ほとんどの旧日本型企業が辿る道でしょうね。
飯坂 あと20年ぐらい生き残るために足掻き続けますかね。
運営者 新日本国の住民としては、そういうカイシャの悪あがきを止めて、断末魔に耳をふさいで、とにかく「さようなら」って、そういう居るだけムダなカイシャに市場から退出していただく必要があるわけです。