みのもんたは、ジャーナリストではない!
世の中、「名刺にジャーナリストと刷ったら、ジャーナリストになれる」と変に勘違いしている人が多いですが、ジャーナリストと名乗りたいのなら絶対に外してはいけないことがあります。
それは公益、パブリックの利益を最優先する、パブリックマインドを貫き通すことです。
これはたいへんむつかしいことです。利益相反を避けるために、スポンサーからカネをもらっていてはジャーナリストとは名乗れないはずです。CMに出ているということは、世の中のごく一部の主体の利益に従うことになります=カネをもらった相手に逆らうのは信義則に反しますからね。
つまり、CMに出ているということは、スポンサーに魂を売っているということです。そんな奴が言っていることを信じて自分の行動を決定するのはバカげた話です。自分の発言の信頼性を担保するため、まともなジャーナリストや、報道枠の番組に出ているキャスターは普通、CMにはいくらカネを積まれても出演しません。
前回のオリンピック招致では招致サイドからカネをもらっていたので招致に賛成し、今回はカネをもらわなかったので招致に反対するというような、私益で意見を変えるようなことでは、公益の観点からみんなのためになる情報を発信する「ジャーナリスト」とはほど遠いものがあります。
「タマホーム、いいねえ」などと言っていたのでは、ジャーナリストもクソもないってこってす。
同じように、トヨタやら英会話学校の宣伝に出ているビートたけしは、映画監督ではあっても、「フリージャーナリスト」では金輪際ないのです。
その看板の使用を許している放送局の報道マンは、なんとも思わないのか不思議ですねえ。
あと、わたしが一番許せないのは滝川クリステルです。いかにも「公正中立な報道側の人間ですよ」というイメージで売りつつ、日通、アリナミン、日本生命、ヱビスビールなどの宣伝で荒稼ぎしています。こいつがやっているのは、報道の公正性の切り売りです。フリーライドです。
今回の「お・も・て・な・し」でさらにおいしい立場になりつつありますが、果たして日本国民は、そんなことを許すほど甘ちゃんでいいんですかね?
逆に言うと、公正なジャーナリズムというのはものすごくfragileなものなんです。経済的基盤が弱いという意味で。
まともなジャーナリズムを存立させ続ける社会であることは、とても大切です。みんながそういう意識を持つ必要があると思います。
NHKの9時台のニュースがアホみたいなキャスター同士の対話形式を取り入れたのは、私には衝撃でした。誘導し放題ですよ。「事実を持って語らしめる」という鉄則は死んだんですよ。そっちのほうが「視聴者の受けがいい」という理由で話が通ってしまうのが、今のNHKの報道ですよ。
滝川クリステルはジャーナリストではありません。わたしが問題にしているのは、報道の持つ「信頼性」を切り売りしているという点です。滝川クリステルが、報道(っぽい)番組のキャスターとして、ビールやら疲労やらの話題にコメント。スポンサーにとっては最高のフリーパブ、視聴者にとっては悪魔の洗脳の時間、そして「有限の資源である電波」を独占使用している放送局にとっては、不作為の罪を背負う瞬間。
有りうべからざることですよ。それが日常的に起きるのが、この国の貧困です。
問題提起としたいと思います。