旧日本人の社会観■
社会参加意識の欠如
社会に働きかける「社会参加意識」がない。
ボランティアをやっている人間の精神的な正常性を内心疑っている
旧日本人は「一生会社の中だけで生きていける」、「会社以外のことに時間を使っても無駄だ」と思っている。だから「社会性」という開かれた概念を持たない。「給料さえ継続してもらえれば、後は自分の殻に閉じこもって、趣味でも追求して生きていこう」とてうことだ。それは自分の固有の権利であり、社会的観点を持たないことが非難の対象になるなどとは夢にも思っていない。
したがって「社会の運営に参加しよう」とか、「不特定の他者に何かを訴えかけよう」という発想は持たない。だからボランティア活動をやる人間の気持ちについては、全く理解できないだろう。
選挙ですら、「自分にとって大きな意味のあることだ」とは捉えていない。選挙制度は「代議制民主主義の根幹であり、どのような代表を選ぶかは自分たちの運命をコントロールすること」などとは夢にも思っていない。組織選挙であれば目的がわかりやすいので身を入れて運動するのだが。
個の殻に閉じこもる「自立」は比較的簡単だが、自発的な社会性認識を獲得することは、なかなかむつかしい。