新日本人の組織観 ■
組織相対主義・組織より社会が上位
普遍的に通用している規範を所属組織に持ち込む努力をする。デファクト・スタンダードに対応するように、組織内部の文化や現行ルールを変えようと試みる
日本の組織の中では、その組織の中だけでしか通用しない特殊用語とか、また微妙な組織力学に基づいた仕事の特殊ルールが蔓延していて、そのプロトコルに通暁しているだけで大きな顔をしている組織人も少なくない。会社が潰れたりクビになったら、社外では全く無価値になってしまう企業内の特殊ルールであるが、組織絶対主義の旧日本人にとってはありがたいものなのだろう。
これに対して新日本人は、所属組織の中だけの決め事よりも、社会一般に通用しているルールの方を重視し、それを積極的に所属組織の中に取り込んで、所属組織を社会一般に近づけるよう努力する。最終的には、変則ルールを作り出している組織文化自体、つまり旧日本人の意識を変えることが目標になるだろう。
この試みは新日本人にとっては妥当であり、かつ組織全体のために行っていることなのだが、旧日本人には敵対的行為と受け取められてしまうことが多い。ここにもまた新日本人対旧日本人の禍根のひとつがある。