新日本人の組織観 ■
市場主義、競争主義の是認
「組織は、常にオープンな市場において他の組織と激しく競争している」という意識を持つ
市場主義の根本原理は、自立した個人が自由に発想し、行動した成果を自由市場を通して値づけし、交換すれば、効率を最大化できるということだろう。新日本人はこのことを常に念頭に置いて行動し、意思決定を行う。
ここでは、各人の自立がキーファクターとなる。依存的態度を捨てなければ市場で売れるような新しい価値を創出できないわけだから、競争市場においては旧日本人的ぶら下がり志向にしがみつく人は「貧すりゃ鈍す」で転げ落ちるしかない。それは企業においても、社会においても同様である。日本の経済社会が没落しつつある最大の要因を私はここに見る。
一刻も早くこの経済の中で市場主義的な部分の範囲を拡大し、個人も組織も市場社会のロジックに対応することこそ、われわれが助かるための唯一の方途なのだ。さもなくば、鎖国してじり貧の道を歩むしか生き残りの道はない。
構造改革を定義するならば、それは「市場主義を徹底すること」に他ならず、その欠くべからざる条件は、自分たちの社会にぶら下がり続ける旧日本人の「意識改革」なのである。だが残念ながら、 旧日本人は自ら変身を望むことはない。