新日本人/旧日本人の年代別比率は
どの世代にも新日本人はいます。全体ではおそらく3割ぐらいでしょう。
2種類のビジネスマンがいる
通勤電車に乗っていると、「みんな同じサラリーマンなのだから、まったく同じような意識を持って会社に通っているのだろう」と思いがちですが、しかし他人の考えというのは本当のところはよくわからないものです。
でも、新日本人/旧日本人モデルをご覧になれば、他人と自分の意識に意外と大きな違いがあるのがおわかりになるでしょう。だから実は、人それぞれの頭の中で意識変化が起こっていても、みんなそれに気がつかないのです。
ところがわたしは、現在たいへんな意識変化が起こりつつあるのではないかと思っています。企業の置かれている状況も経済全体のあり方も、どうやら好ましくない方向に流れつつあると感じられる中で、6000万人を数える日本のビジネスマンの「仕事に対する意識や姿勢」は、大きく2種類に分かれつつあるのです。それをわたしは「新日本人」と「旧日本人」と呼ぶことにしました。ということは、1両の通勤電車の中に乗っている100人のビジネスマンのうち、何割かが新日本人で何割かが旧日本人であるということなのです。だいたいどれくらいの人たちが新日本人なのでしょうか。現状ではおそらく全員の3割ぐらいの人が新日本人的な考え方をしているとわたしは考えてます。
「ホントかなあ」と思われるでしょう。だけど、普段仕事をしていて、何かの問題で意見が対立したときに、「どうしてこの人はこんなふうに考えているのかな、まったく不思議だなあ。自分と全然違うなぁ」と感じたことはありませんか。特に新入社員や若い世代の社員と、中堅以上の社員という年齢ギャップがある場合には良く感じられることがあるかもしれません。というのも、新入社員として会社に入ってくる人たちは、ほとんどが新日本人的な発想を持っているからです。
25歳までの新入社員ならほぼ8割方が新日本人的な意識を持っています。それが年齢を重ねるほどに旧日本人の比率は増えてきて、転職ができなくなる35歳を境目にぐっとその比率は増えてきます。そしてミドルといわれる40代から50代になると、タコ的な旧日本人の比率は7割を超えていると思います。彼らは人事権や業務命令権、意思決定権を持っていますから、現在の日本企業はほぼ旧日本人的な行動傾向を持つことになります。経営者の中には、新日本人的な考え方の人もちらほら増えてきたようですが、その下のミドルが旧日本人的な意識から脱しなければ、やっぱり社内改革はむつかしいでしょう。