旧日本人の「儲からない」意識構造
うまく対人影響できないことが、旧日本人のビジネス行動を決定している。
旧日本人の「儲からない」意識構造
おそらく純粋な新日本人や純粋な旧日本人はいないと思います。みんなそれぞれ、新日本人的な部分や、旧日本人的な要素を持っているはずです。どちらの要素が多いかで、新日本人か、旧日本人かが決まるでしょう。しかし中間的な人でも、新日本人的な要素の方が勝っている人は、まじめに仕事をしていれば自然に新日本人になっていくと思います。
ここからは旧日本人と新日本人の意識がどのように違っているのかについて考えてみたいと思います。
「新日本人/旧日本人一覧表」の中にはいろいろなことが書いてありますが、これを整理してみると旧日本人の意識はこの図のような構造になっていると考えられます。これはヘイ・コンサルティングという人事コンサルティング会社のEQモデルを下敷きにしています。
仕事には必ず相手がいるものであり、相手を動かせればたいていうまくいくものです。ある人が相手に何かを働きかけるときには、その人の頭の中では、必ず矢印の方向に意識の道筋をたどっています。まず最初に「自分はどのような仕事をしていて、何が得意なのか」という自己認識からスタートして、そこから2つの方向に注意が分かれます。ひとつは他人のニーズや他人が置かれている環境を理解するという方向で、これを「対人理解」といいます(図右上)。もうひとつは、仕事をするときに自分自身の行動をうまくコントロールする能力(図左下)。この「セルフコントロール」と対人理解が合体して、他人に働きかける「対人影響」になるわけです(図右下)。
新日本人の場合は、しっかりした自己認識を持って、お客さんのことをきちんと理解し、それと同時に自分自身の行動をうまくコントロールできるから、目的に適った効果的な対人影響ができるのです。
しかし旧日本人にはそれができません。そこが旧日本人のビジネスがうまくいかない大きな原因ではないかとわたしは考えています。旧日本人がタコツボに入りたがる理由を考えてみましょう。