経済テロリズムの同時多発、
それが今の不況の原因
運営者 古くさい会社は、実際このような感じで動いていると思っていいと思うよ。一部上場企業でも、「おたく、もうやめたほうがいいんじゃない?」と思うような会社がいっぱいあるんだよ。だって株主は、その会社に投資をして収益が上がることをある程度期待しているわけだから、それに応えられない、応える能力がないと分かっているんだったら、株主に対する背信行為だからやめるべきだよね。株主も株を売って損切りするべきだね。
また社会全体の資本の有効活用を妨げているわけだから、そんなカイシャは実際のところ資本主義社会における犯罪なんでね。会社を解散して、精算時の税金を払って、残りを株主に返してしまった方がよほど株主の得になる会社がいっぱいあるわけ。
ところがそれもちょっと前までの話で、今では資産を食い潰してしまって、含み損しかないような会社がいっぱいあるんだけどね。平均株価が1万円を切ると、都市銀行の含み損は5兆円になっちゃったわけだから、都銀の精算したって株主には何も返ってこない。
なぜそんなことになっているのか、経営者が社員の生活を守ることの方を、株主の利益よりも優先させたからなんだね。
でもそんなことをしてもやっぱり会社は建て直せないわけだし、株主に対する背信行為であることには変わりがない。株主にしてみれば、午前中会社に来てはいるものの、茶を飲みながら新聞を飲んでいるような社員を大勢養っているような会社の株は売り払って、もっとしっかりした考え方を持ってやっている、成長性の高いビジネスモデルの学生社長の会社に投資した方がいいわけじゃない。そっちの方が、みんなが得することになるわけだよ。
はっきり言うと、「どうせ自分には経営能力がないんだけれど偉くなったんだから役員になっちゃえ」というような確信犯的なダメ経営者による会社経営というのは、狂信的な集団主義者による緩やかな経済テロだと思う。経済テロリズムの同時多発、それが今の不況の構造的な原因だと、僕は思っているわけ。
まり わかりやすいですね。
運営者 君たちの世代でも、「会社に入れば一生食べさせてもらえる」とみんな持ってるかな。
りえこ 全然そんなこと考えてないですよ。「会社に入ったって、この先どうなるかわかんない」と思っていますね。
まり 「一生そこで安泰」と考えている人はいないよね。
運営者 なぜかな。
りえこ だって、どんな、大企業でも潰れてるし。
まり それに、特殊法人改革とか、動きが激しいじゃないですか。
りえこ そういうのに関心を持っていない子もいるんですけど、でもニュースを見ると世の中マイナスのニュースばかりなので、「これから日本はどうなるんだろう」と思ってるんですよ。
まり みんな、感じてはいるよね。「これからどうなるんだろうね」って言ってるもん。