■ 微笑の国
ゲゲッ、坊さんに道を譲らせたんですか!
運営者 今これ、ワイン開けますけど、これはカーブ・ドッチという、落希一郎さんという人が新潟の巻町で9年くらい前からやっているワイナリーで作られたワインです。カベルネなんだけど、どのくらいのものができるようになったかな、飲んでみてください。
赤は難しいですからね、どんな味かな。
一同 ……。
雅子さま うーん、面白い味かも。
運営者 まあ、新潟で一生懸命作っているワインですから。うーん。話のネタということで。白ワインはいいのができるんですけどね。
それでね、もてなしというのはですね、まあマナーにはイギリスからのと、フランスからのものがあるんです。ヨーロッパのもてなしというのはそういうところから出てきているのかな。
新さん 世界で一番ホスピタリティーがあるのはどこかなぁ。どこが一番快適かな。
運営者 「微笑の国」タイはいかがですか。
新さん あの微笑は、仮面なんだよ。
梯子文化というのがあってね、彼らは初対面の相手と自分の地位の違いを、瞬間的に見抜くわけ。相手が目下か目上か、それを図るために、最初はまずニッコリ笑うわけ。ニッコリ笑うことによって半径1メートルくらいのバリアを作るんだね。そのバリアを作っておいて、相手との間合いを図るわけ。
それで挨拶にしても合掌をしたときに親指を顔のどの位置に持ってくるかによって敬意の払い方が違う[わけ]んだ。王様に対しては親指を額のところにあてた合掌をする。これが最高で、親指をあごの下に持ってきて合掌をするのは目下のものに対する礼の仕方。普通は鼻の下。つまり相手のランクを見極めるというの[が]をやらなければならないんだ。だからあの微笑は仮面の笑いなの。とりあえず微笑っておけばその場が収まるからね。
雅子さま お坊さんがあちらこちらにいますよね。タイの人たちはお坊さんに対して最優先にしますから道も譲りますよね。でも、それ以上にお坊さんたちが外国人に道を譲ったりするのが不思議だったな。
運営者 ゲゲッ、坊さんに道を譲らせたんですか。
雅子さま 譲らせたというか、そういうふうにしてくれるから。そうなんだなと思って。
新さん あ、それは違うんだよ。坊さんはずーっと修行しているわけだけど、女の人に触れた瞬間に今まで修行してきた分がゼロになってしまうの。
だから雅子さまを触らないように避けたわけ。
雅子さま なんだ、そういうことか。すごく不思議だったんですよ。
新さん 向こうもすごく困ったと思うよ。「ヤベエヤベエ、俺が修行した分がゼロになっちゃう」ってね。
運営者 一体どこにいったんですか。
雅子さま ふつうに、お寺とか。
新さん 坊さんの居場所は決まってるからね。
雅子さま じゃ私、そういうところに入っちゃったんだ。
新さん 話は変わるんだけどさ、SMのSというのはサービスのSなんじゃないかと思うんだよね。
運営者 そうしますとMは。
新さん 満足のMだよ。俺、それはすごく言えてるなあと思ったの。サドは、実はサービスをさせられちゃってるわけよ。マゾの人に。
運営者 サドというのは、とにかく人を痛めつけることによって満足を得る人だと思っていたのですが。
新さん そうではない。Mに対してサービスをさせられちゃってるわけ。
雅子さま 深いな。まだちょっとそれはわからないな。
新さん あれはすごく高度な想像力ゲームなんだよね。想像力で成り立っている。高度に知的で……、まあいいやそんなことは。