爆笑! 四酔人サイト問答
なんでサイトをやっているの(4)
師匠 そういえば、突然、まったく知らない人からメールがくることもあるよ。
かんべえ 知らない人からメールが来るとプレッシャーになりますよね。
師匠 しかも長いんだよ。
田中 言いたいことがたまりにたまっていて、それがあふれてくるから長いんでしょうね。
師匠 返事に困るんだよ。どういう相手だか分かっていればいいんだけど、どんなナレッジレベルだかわからないと。
でも「日ごろ読ませていただいているので義務感に駆られて」というメールが多いかな。
かんべえ 私のサイトは、大企業に勤める人が職場で読んでるパターンが多いみたい。月曜の朝なんか、カウンターがよく回りますね。なぜかトヨタの方にファンが多いらしい。たまに長文のメールをいただくと、ご同業か学生が多いですね。
運営者 別に義務感で反応してくれなくてもいいですよね。こっちは勝手に書いているんだから。
師匠 それは自分がやりたいからってということなんだろうね。
かんべえ そうだと思うんですよ。それこれがまた、素晴らしく良い文章で、「返事を書かなきゃいけないな」と思ってはいるのですが。
溜池通信は受け手のレベルが非常に高くて、ちょっと他にはないような視点からのコメントをいただくことが多いです。
師匠 人間てね、やっぱり、表現したい欲求ってあるんだよ。みんな、欲求不満がたまっている。優秀な人がいっぱいいるのに表現できないだけなんだ。だからわれわれのようにサイトつくっている人間に対しては「いいなあ」と思いながら、一方では、反感もあるんだよ。
運営者 「この程度で世の中に意見しているんじゃないよ」、ということですね。
でもまあ僕の場合は基本的に知り合いに読んでいただくというのがそもそもの動機ですから。
田中 岡本さんとこはリンクお断りだしね。
運営者 自分のサイトにリンクのページがないということは、人様にも「リンクをしてください」とは言えませんよね。それでもなおかつリンクしていただける方には陰で手を合わせてありがとうございますとお礼申し上げております(笑)。別にリンク張ってもらいたくないわけではないんですよ。ぜひよろしくお願い申し上げます。
田中 なんだ、早く言ってよ。
運営者 僕のサイトは、僕と友達との間の通信だと思っているんです。だからインターネットの特性と言われているリンクなどの機能を活かさなければならないとは別段考えていないわけです。ただ、通信手段として一番簡単だからインターネットを使っているだけです。
それと、みなさんと僕の決定的に違う点が1つあります。
それは僕は会社に勤めていないでしょう。すると実は僕のサイトを読んでくれている人というのは、僕にとっては唯一の社会とのつながりということになるわけです。これは僕にとってはかなり重いことなんです。レスをくれるわけではないけれど、毎日読んでくれている人というのは、僕にとってはそれが誰だか定かではないのですが、その読者を通して僕は世の中につながっているということなんです。
あのサイトを読んでくれている人というのは、僕が何か質問や頼みごとをしたときにはすぐに答えてくれる人なわけですから。これは同じ会社の社員と似たような感覚がそこにあるんですよ。すごく重要な仲間との紐帯なんです。
師匠 そうだね、万一会社を辞めたら、辞めたとたんに僕の読者というのはすごい味方になってくれるだろうな。これは会社とつながりではなくて、個人と個人のつながりだからね。
田中 僕の場合には、週刊誌時代に「電話するときはいつもお願いごとするとき」という生活が続いたから、その罪滅ぼしというか、そんなつもりで一斉同報のメールを送り始めたのがきっかけですね。メールだと押しつけになる後ろめたさはあるけど、外部にはもれない。ところが、だんだん外部に漏れるようになってきて、ならいっそサイトに載っけてみるかと。
かんべえ 田中さんのサイトは社内で宣伝してるんですか。
田中 社内はあんまり反応ありませんね。情報発信を飯の種にしていても、自分のことを情報発信できるとは限りません。ときどきエレベーターの中や階段で、「田中の言っていることは、その通りだよな」という人がいるんだけど、だったらメール送ってくれって(笑)。まあ、「お前のように暇じゃない」って言われるだけかもしれませんけど。
この座談の後日、同じメンツで食べた銀座趙楊の火鍋。私の完敗でした。
【ご注意】 この座談は2001年に行ったものです。内容が古くなっているカ所がある可能性があることをお断り申し上げておきます。