爆笑! 四酔人サイト問答
マスコミは情報の格付け機関、
ならばサイトの役割は?(1)
運営者 マスコミにはインターネットや他の電子メディアに対する拒否反応があるかもしれませんね。活字メディアの人間からすると「こんなもん、なんぼのもんじゃい」と白眼視している人が少なくないと思います。活字に対する帰属意識が強いし。
師匠 でもそのメンタリティーは間違ってるね。だって活字の範囲は狭くなってるんだから。
かんべえ 商社業界ではよく、「インターネットって中抜きでしょ。商社の存在意義をなくすものですよね」と外から言われて悔しい思いをしているのですが、それとまったく同じことがメディアとインターネットの関係にもいえると思うんです。インターネットが普及すれば、そんなに大マスコミである必要はないよね。
田中 商社に危機感があってメディアにないのはおかしいですよ。マスメディアだって情報流通産業という意味がありますよね。ある意味で衣料品や食料品と同じなんですよ。昔は高級衣料品は百貨店にいかないと手に入らないから価値があった。スーパーは農薬漬けでもいいから安い野菜を大量に並べておく必要があった。でも、今は百貨店のブランドで衣料品を選ぶ人はいないし、産地などを明記していない食料品はありませんよね。高級「情報」品の寡占体制は崩れているんですけどね。
師匠 マスコミが便利なのは、「みんなこういう見方をしているんだ」という一種の見方のベンチマークの確認ができるということなんだけど、インターネットはまだ確認作業の対象になっていないということはあるよね。「日経ってはこう書いている」とか「文春はこう書いている」とか。ただオレのサイトは少しそういう意味あいを持ってきているかもしれない。
田中 なってるなってる。
師匠 みんな自分の考えがあるんだよ。あるんだけども、みんな「ほかの人がどう考えているのか」ということを知りたいわけだ。
でもね、非常に重要なのはネットでも大勢の人間が読んでいないとデファクト・スタンダードにはならないということなんだよ。良い悪いは別にして、マスコミは自分の考えが他の人とどう違うかについて確認することができる場にはなっているんだ。
田中 「週刊文春ではこういう書き方をしているけど、自分はこれぐらい同調する」という距離感がわかるってということもありますね。
【ご注意】 この座談は2001年に行ったものです。内容が古くなっているカ所がある可能性があることをお断り申し上げておきます。