爆笑! 四酔人サイト問答
マスコミは情報の格付け機関、
ならばサイトの役割は?(2)
運営者 「週刊宝石」に続いて、おそらく「週刊読売」「FOCUS」などもなくなっていく運命にあるんだと思います。
それで最後に残るマスコミの役割というのは何かと考えると、世の中にいっぱいあふれている情報の「格付け機関」ということになるでしょう。「これは重要な情報ですよ」と読者に印象づけるのって、新聞社でいうと紙面のレイアウトを決める整理部のような仕事なんだと思います。それは今我々のサイトでできる話ではない。メディアは情報の格付け会社として生き残っていくんだと思いますよ。
田中 本来、編集というのは情報の格付け作業です。新聞なら整理部ね。
運営者 まったくそのとおり。ところが巷には、編集部にファクシミリで流れ込んでくる新製品やイベントの情報を格付けせずにぶん並べるだけの雑誌があふれている。
師匠 面白い。インターネット時代になったら日本のマスコミはいらないじゃないかという説もあるけど。
運営者 それはないと思いますね。だって格付け機関がなくなっちゃうと困るもん。
師匠 オレは「その日本の格付け機関が腐っている」と言いたいんだよ。
運営者 だから師匠がサイトでそこに挑戦するとすれば、メディアと まったく同じ土俵でできると思いますよ。
師匠 でもマスコミってのは2000人とか3000人とかの所帯だからね。
運営者 サイトのほうは今のところは、自分の言いたいことを書いているという状況ですな。
師匠 マスコミは大河だよ。それに対して、ネットサイトは「小川」だと思うね。大河に流れ込む小川。
かんべえ 個人サイトで恐怖なのは、自分の予想が大きくはずれたときですよ。訂正がしにくいでしょう。ある政治評論家のサイトなんか、それでむちゃくちゃになって、どうやって軌道修正すればいいのかすごく難しい状況に陥っています。午前3時のカジノでアタマに血が上って黒にずっと張り続けている人みたいな感じ。読まれなくなるくらいならいいけども、見事に「彼の反対に張れば当たるだろう」というマイナス指標になってしまっている。彼を見ていて、「ああ、彼がああ言っているのなら逆のことを書けばいいのね」と。
ところがマスコミの場合は便利なもので、「この人はこう言ってますよ、でも反対にこの人はこう言ってますよ」という載せればいいだけですから。
田中 新聞の識者のコメントというのは、リスクヘッジですから。
新聞や雑誌の記者がコメントを言ってくれる人を探すときには、「あの人ならどんなことを言うだろうか」という探し方をするのではなくて、「こういう意見を持っている人いないかな。あっ、いたいた、彼に頼もう」という探し方をするんです。
運営者 でもわれわれがサイトをやっていても、ある見方に関して張って書くときは必ずリスクヘッジやってるんじゃないですかね。
かんべえ そのへんは自分なりに周到にやってるつもりですよ。
運営者 僕は2001年の年賀状で「おそらくごく近い将来、わが国は経済的にたいへんな困難に直面することになるでしょう。ひょっとしたら危機は今年の後半に到来するかもしれません」、とはっきり書きました。あんなこといまだかつて書いたことがないわけで、これについては結構賭けをしているわけですよ。
かんべえ 僕はあれ読んでちょっとあきれたの。だってそんなのコンセンサスになっているじゃないですか。外れても恥ずかしくないし、ぜーんぜん意外性がない。
運営者 だから「私はこう思います」という態度表明を、選挙で一票を投じるのと同じように、サイト上でやっているわけです。一人一人が自分の認識を声に出して言って、世の中全体の意識を変更していかないと、改革なんてできっこない。
【ご注意】 この座談は2001年に行ったものです。内容が古くなっているカ所がある可能性があることをお断り申し上げておきます。