爆笑! 四酔人サイト問答
お見合いしすぎた? 岡本呻也(5)
運営者 うーん、でもね、われわれは民主国家の一市民として、われわれの政体がどのような仕組みで意思決定を行っていて、その仕組みが不都合になったときにこれを変化させるにはどのようなプロセスを踏むべきかということを明確にしておく必要があるのではないでしょうか。それが薮の中というのはおかしな話だと思いますが。
かんべえ それはそうですよ。でも、実際世の中を動かしているのは「実利」なんです。
塩野七生さんが言っているように「あなたからすべて奪いますよ」と言った瞬間に、改革はできなくなってしまうんです。民主的な手続きにのっとって物事を進めなければならないというのは、イロハのイですよ。民主的な手続きにのっとってすべての関係者の了解を得ながら変革を進めなければならない。
運営者 それって、さっき否定されたステイクホルダーのことを考えるということではないんでしょうかね。
かんべえ コーポレート・ガヴァナンスといっても、社内のこともあれば社外のこともあるわけです。面倒くさいからそういうプロセスを無視してもいい、エリートががんばるしかないって最近の岡本さんのサイトの議論は僕は抵抗を感じるな。
運営者 あれも塩野さん仕込みなんですけどね。それに私は「面倒くさい」とは言ってませんからね。
かんべえ 僕が読むとそう読めるんだけど。
師匠 そんな誤解されるような文章を載せた方が悪い。
運営者 でも、師匠の書いた文章だっていっぱい誤解されてると思った方がいいですよ。
師匠 許容範囲の誤解だったらばいいんだよ。文章を読む人というのは誤解の連続なんだ。誤解が連続して同じ結論に達することができれば、それはそれでいいんだよ(笑)。
その文書を書いた人の意図が完璧に分かるのは、読んだ人(100人)のうちの3人だと思うな。
運営者 バックグラウンドも違うし、共感性のレベルも違いますしね。
師匠 しばしば驚くような、「ちょっと待てよ、オレこんな事書いたっけ」というようなメールが来るもん。「こんなところに注目したの」と驚いてちゃう。書ここうとしたことと全然違う、確実に外したメールを返してくれる人もいるよね。自分が書いたつもりじゃないところにもっていかれて、ポイントから思いっきりはずれたところで話をドンと落とされると、ホントに唸らされちゃう。でも、ピッタリ合っている方がおかしいよ。
運営者 僕も、自分がすごく間が抜けているということはよくわかっていて、でもインタビューしているときに僕が何の気なしに話したこと深読みしてくれて、面白い方向にひねってくれる人っているんですよ。そういう人って僕好きだな。
価値はカオスの中から出てくるので、価値がスタートするポイントというのはそういう誤解からなんだろうなと私は解釈しているのですが。
師匠 齟齬はあるんだよ。
運営者 それを齟齬と言ちゃいけませんよ。そこからスタートするものが何かある。
【ご注意】 この座談は2001年に行ったものです。内容が古くなっているカ所がある可能性があることをお断り申し上げておきます。