ネットベンチャーズ2
インタビュアー 飯坂彰啓
飯坂 インターネットを使うことでベンチャーが大きく飛躍することができたというのは確かですよね。
運営者 そこのところを言うと……、大きく飛躍していないんですよ。ネットベンチャーというのはそんなに儲かっているわけではない。
飯坂 それはアメリカでも一緒ですね。
運営者 どういうことかというと、まだ儲かっているわけではないけれど、これから非常に儲かる、成長するだろうと思われる会社も、10社に満たないけれどあると思うんです。
飯坂 楽天とかマネックスとかですかね。
ビジネスモデルというよりは、経営者の資質ということかもしれませんけど。
運営者 経営者の資質があれば高成長・高利益モデルを実現することができると思います。その2社が果たしてそうかどうかはわかりませんけれど。
飯坂 ネットベンチャーがこれだけ社会現象に近いような感じになったのは、IPOで経営者たちが100億円単位のお金を手にするようになったからというのはありますよね。
運営者 私もそう思います。ただ、ビジネスへの参入がネットを使うことによって簡単になったということも見逃せないでしょうね。いままでは新しいビジネスをつくるということは大変だったですからね。
飯坂 メディアとしてのインターネットの限界プライスが低いからだれでも参入できるようになったということと、もうひとつインターネットという新しいメディアにみんなひれ伏しているから、インターネットであれば非常に簡単に金銭や取り引き的な支援が得られるということがあるんでしょう。
運営者 それは去年までは正しかったと思うんですよ。去年までは大企業がベンチャーに対して恐れをいだいていて、ネットベンチャーの方が有利だった状況がありました。一般の人々も、「インターネットを使えば何か質の違う仕事ができるのではないか」というような幻想を抱いていましたからね。だけどすでに今年の春以降は、そのような幻想は払拭されてしまったと思いますよ。
飯坂 ネット革命とIT革命は微妙に違うはずなんですけど、何が違いますかね。それとも同じですかね。
運営者 IT革命の中にネット革命が含まれるのでしょう。村井純先生は、デジタルテクノロジーと言っておられるし。
ネットというのは、非常に単純に言うと、パソコンとパソコンが線で結ばれているという状態を指すわけです。その中でどのような情報交換をするかということが、バリエーションとしてある。
飯坂 そういうことで見れば、パソコンだけでなく、携帯の端末も有力な端末になってきたですよね。
運営者 まったくです。ネット接続できる携帯は1000万台近くあるわけですから。