Policy Issues 2001
インタビュアー 飯坂彰啓
飯坂 それで、脱稿した後は何をやってるんですか。
運営者 実は東京財団という民間政策シンクタンクから、「政策イシューをまとめるプロジェクトやらないか」というお話しをいただきまして、30個くらいの非常に重要な政策イシューについて、政策マインドの高い学者の先生方に、解決方法と問題点と、その解決方法がきちんと実行できない理由は何なのかということをまとめて伺いに行き、それらを整理分析するという仕事をすることになったんです。村井純先生とか、大田弘子先生とか、宮脇淳先生とかにお話を伺うと。それがスタートしたのが、だいたい執筆が終わった6月の半ばからで、8月中頃ぐらいまでかかると思います。
アメリカでは、ヘリテージ財団などが国会議員研修用に、非常に充実したものをつくっていますが、日本では多分初めての試みです。その結果は、政策課題本としてまとめます。
飯坂 それは面白そうな話ですよね。
運営者 今回の選挙の結果から、実はこのプロジェクトは非常に重要な意味を持つということがわかってきました。というのも、今回の選挙では自民党は都市部の有権者にそっぽを向かれて大敗し、完全な農村型政党という意味を持つようになってしまった。反対に、民主党の方では左系の議員が大量に落選し都市政党と、新保守政党としての意味を明確にしつつあるのではないかと思うわけです。
したがって、ひょっとすると次の選挙では、本当に都市から農村への所得移転問題や、年金受給者と負担者の世代間闘争といった、政策の選択が焦点になる可能性があります。
その場合、「ではどのような政策の対立軸があるのか」ということが明確になれば、それに基づいて日本全体の組み替えをするということが可能になるかもしれません。重要な政策の争点について総括して、整理を行うことにより、その対立軸が見えてくる可能性があるのではないかというのが、現在私のところで見えてきているテーマです。なおこの財団の理事長は竹中平蔵さんでして、竹中先生と最終的に相談をしながら、こうした政策の軸についての分析を明らかにすることができると思います。私の力では足りないので、腕利きの助っ人も頼みます。結果については、年末までにみなさんもネット上でご覧になることができるようになるはずです。
その後、実は次の本も書こうかなと思います。これは、政策よりも、個人の精神の変化・変遷にテーマを設けようと思います。あまりネタばらしはできないのですが、新しいビジネスの感覚を持ち、過去とは違った社会参加をしている人が増えてきていると思うわけです。そうした人はどのようにして変身していくのか、ひょっとして日本人には2つのタイプの人間がいるのではないか。その新しいタイプの人間の人間像について考える本にするつもりです。私の中では、既に手法ができているのでそれをどのようにして実際に取材をして作品にまで高めていくかということが問題になります。どこから出版するかについては現在全く白紙です。