新日本人vs.旧日本人
インタビュアー 飯坂彰啓
飯坂 それは、新しい日本と、古い日本との対立点を明らかにすることですよね。
世代で分けると、団塊の世代とそれ以後の世代ということになるんでしょうね。地方と都会とか業界にもよるでしょうね。
運営者 それから、同じ会社の中にいても改革を望む人間か、あるいは従来のシステムの中で無難にやっていこうと考えている人かというところで分れるんでしょうね。
飯坂 デジタルデバイドで分けられてしまう層と、「旧日本/新日本」で分けられる層と、結構似てくるんじゃないかというふうに思いますが。
運営者 非常に鋭いと思います。どうしてかというと、ネット活用をすることができる人間は、インターネットの特性によって「考え方」すらも徐々に変わっていくはずだからです。もっと砕いていうと、ネットがつながっているということは、ネットワーク対応型の人間であればネットの機能をフル活用することができるし、そういう能力をみんなで高めていかなければならないということなんだと思うんですよ。
ではネットワーク対応型人間の特性は何かというと、非常にオープンで自分から情報発信して、かつ自分がいる「場」のことをちゃんとわきまえていて、その中で1人のプレーヤーとして十分責任を果たすと。かつ、その場の中でも外でも情報や価値としてアウトプットを出していくことによって、その結果を他の人たちにフィードバックし、最終的には自分が属している場の価値自体を高めていくということができる人であるということです。従って、ネットワークを活用できる人間は、新日本と旧日本があるのであれば、新日本に属す人間であるということができるでしょう。
そうした新しい人間を、インターネットはつくり出していくことになると思います。インターネットというのは無機的なネットワークでありながら、実は機能として非常な有機性、あるいは無から有をつくることができる存在であるというふうに僕は思うわけです。
飯坂 面白いですね。景気が悪い悪いと言ますが、98年ごろは「日本発の世界恐慌になる」と言ってたわけだから、その頃に比べたら比較的よくなってるわけで、ネットベンチャーが出てきて景気がいいんだったら、それを伸ばしていく方向でやいたほうがいいんじゃないかと思うんですけど。
運営者 まずネットベンチャーをやるには、何より「ベンチャー・スピリット」が必要で、プラスアルファ経営能力やネットについてのノウハウがあるかどうかという要素が必要なわけです。これは極めてハードルが高いと考えたほうがいいでしょう。では全般的にできることは何かといったら、実はそのネットベンチャーをつくることではなくて、個人個人を変えていくことだと思うんですよ。人の考え方を変えていくということ。
大企業が優秀な人材を抱え込んでいる、それを外に出して、「社会の中で新しい価値を作り出していく」ということの重要性をみんなに認識してもらうということが重要です。それはネットベンチャーに限らなくて、金融機関は比較的それが出てきやすい状況にあったわけだけど、そういった状況を他の業種でもつくって行かなければならなくて、ネットベンチャーがその分野のひとつであるということは事実だと思いますが、ではどのような、スキルやノウハウがあればいいかというと、ベンチャーを起業できるということは言い換えてみると、「経営センスがある」ということなんですよ。もうひとつはネットワーク対応ができるかどうかいうことです。