会社にいなくても、社会参加はできる
インタビュアー 飯坂彰啓
運営者 ところで僕は、会社を辞めてから今も肩書きがない「ただの人」なんですよ。自分の会社をやるというのは月並みで嫌なんです。僕は今の立場をものすごく楽しんでいて。
あほらしいと思いませんかホント。とことん僕が言いたいのは、一人で居てもいいんじゃないかということです。ネットワーク対応という意味の一つがそこにあります。つまり一人でいるんだけれどもちゃんと仕事ができて、情報が入ってきて、毎晩どこか飲みに行って。そういう形ができていれば、社会の中で価値を生み続けられるユニットであるということです。言ってみれば、「ひとりベンチャー」ですね。
それは会社の中で何もせずにボーッとしてる奴よりましだという感じかな。ところがこれが、普通の人にとっては僕のようなプータローよりは、三井物産の社員の方が信用があるわけです。そういった社会の認識が、まさに「旧日本国」の市民の認識なんですよ。
飯坂 いやあ、きょう知り合いのヘッドハンターと話していたんですが、つい最近、声をかけていた人が2人も、奥さんの反対で転職がだめになったというんですよ。そのメンタリティーですよね。
運営者 奥さんという人種は、基本的に「旧日本国」に属するんでしょうか。
飯坂 そうでしょうね。
運営者 そうじゃない奥さんがいたら、それって素晴らしいと思うんですけどね。
飯坂 でもそれは多分日頃のコミュニケーションの問題なんでしょうね。
運営者 あるいはよほど浮世離れしているか。しかし僕思うんだけど、20代の世代にはそういう人間はいると思うんですよ。20代の人間の社会参加の意識というのは僕らの世代から考えるとかなり拡がりが出てきていると思うんです。あくまであらゆるベクトルに広がっているということですが。その拡がりの中で、いろんな形での社会参加の方向が出てくるだろうというのが、ある種の希望が持てることかなと思うんです。
飯坂 20歳前後の人ってすごく不安なんじゃないかなあ。
運営者 何がですか。
飯坂 就職はない。バイトだって割のいいのがない。オヤジはリストラされるかもしれない。振り返って自分はとみると何の技能があるわけでもない。大学に通っていても、世の中では何の役にも立たない教育を受けていると。
運営者 だから学校というのは、読み書きそろばんとか歴史とかの詰め込み型の教育でよくて、それだけでは就職をするにしても潰しが効かないのはわかっているわけですよ。だから、さらに高度な専門教育を施すビジネススクールのようなみたいなところに行く以外にはないんじゃないでしょうか。