われわれが革命に必ず成功する2つの理由
インタビュアー 飯坂彰啓
運営者 その革命を先導するのがIT革命かもしれないですね。情報の出し手が、今までのマスメディアではなくて、個人になる。個人も簡単に情報発信することができるようになります。それがマスメディアの出す情報を上回る信用力を持つかどうかわかりませんが、少なくともユーザーが多い方が勝ちなので、どれだけ多くの人間が参加するかということが問題になるんです。
面白いことに、日本人はあまり革命の意味をちゃんと認識してないのではないかと思うんですよ。だから僕は、本を書くときに『ベルサイユのバラ』を買ってきてちゃんと読んで勉強しました(笑)。実感できないんですね。主権者という存在自体が認識できない。
日本人は集団志向性が強くて、「みんな自分と同じだ」と思っているからだと思うんです。
飯坂 過去にはずっとそう思わせていたし、それだからやってこれたんですよね。
運営者 それと革命を起こすような動機がなかったんですよ。だってはっきりと誰かに支配されているわけではないんですから。そして支配しているわけでもない。しかし大きな圧力が生活にかかっているということはみんな実感している。ただそれにはあまり逆らえません。なぜならば逆らおうとしても、いったいどこに逆らえばいいのかがわからないという、極めて高度に洗練された支配システムだったと思うんです。
飯坂 すごいなぁ、二重三重にプロキシをかまして(笑)。
運営者 何が何だか全然分からないようにしてるんだもん。それが民族の知恵なのかな(笑)。
でも僕はイギリスに遊びに行く前までは、「どうやったら暴力革命ってできるんだろう」と半分本気で考えていたんですが、今思うのは、「ああ、これ暴力革命でなくてもできるや」と。その理由は2つで、1つはネットが普及したということ、もう一つは若い世代の発想というのは、過去とはもう全然違うということなんです。社会に対する認識は変わってきました。だから放っておいても個人が主権者の新日本国を作るという方向に行くと僕は思いますよ。つまり絶対に勝てるんです、この革命には。
飯坂 「旧日本国」人はこれから死んでいきますしね。
運営者 なぜ彼らが今まで生き残ってきたかというと、彼らの文化を後の世代に受け継がせていくことができたからですよ。でも、「旧日本国」の文化は先細りです。後の世代が受け容れないんですから。
立川の高校の校長先生が、国旗掲揚の理由を生徒に説明できなかったがために土下座をさせられたという事件があったじゃないですか。あれは私の捉え方では、ガキどもの「旧日本国」的な秩序に対する反抗だと思うんです。建前で、「これは文部省に言われたから国旗を掲揚するんです」という説明の仕方じゃだめなんですよ。それでは全然納得できない。そうじゃなくて、嘘でもいいから、例えば「この日の丸の赤というのは、戦争中に600万の人間が日本から外国に出ていって、そのうち300万人が死んでしまった、その同胞の血を吸った色なんだよ」と。「先人のそういう努力とか血とか汗は、少なくとも尊敬に値するものなんだよ」と説明すれば、いくらなんでもガキにもわかるはずなんだけど、それを自分の口で自分の思想として説明することができないのが問題だと思うんです。そう言われれば、いくらガキでも無碍にはしないですよ。日の丸を。
飯坂 でも恐らくは、その校長先生も昔はヒラの教諭で、先生というのはだいたい左がかっているもので、今の立場とねじれてるわけですよ(笑)。