現代の「内なる帝国主義」
インタビュアー 飯坂彰啓
運営者 バカなガキにヒルのように吸い付いて、無益な消費行動を誘い、借金漬けにしてしまう。それで空いた穴を埋めるのは国の仕事と。今伸びている企業は全部そうですよ。
飯坂 資本主義というのは、基本的にそういうものかもね。
運営者 いや、将来を担う若者をスポイルしてはならないという社会的な圧力と、企業側の自制が自然に働くのが文化というものではないでしょうか。
飯坂 搾取する対象を持たない資本主義というのは、ありえないのでは。
運営者 普通は、それ対象を外国に持っていくんですよ。アヘン戦争の時のイギリスみたいに。
飯坂 それを帝国主義といって、日本の場合は特に戒められているわけであって。
運営者 アメリカやヨーロッパならこう言うでしょうね、「われわれの文化は進んでいる。その進んだ文化をまだその恩沢に浴していない未開の人々に授けてやろうではないか。それによって正当なリターンをいただくのは、倫理に反するということでもなかろう。われわれが血と汗と涙で培ったノウハウを彼らに提供しているわけであって、それを搾取というのは偏見である」と。
飯坂 でもそれが、進んで自国民のある層から搾取するということになると……。
運営者 それはやっちゃいけないことなんです。それを社会的に見て「これってだめだよね」という健全な世論が出てこないとね。
飯坂 搾取する連中は、地べたに座っている連中を同じ人間として見ていないから搾取できるわけですよ。
運営者 物化した存在として見ていますね。
飯坂 だから、逆にそういう地べたに座っている連中からオヤジ狩りされてしまうんです。まったく別の種族として見ているから。
運営者 まあそう言われても仕方がないかもしれないけど。いったい、そういう地べたに座っている兄ちゃんたちは何が幸せなんでしょうね。日本国憲法の言う幸福追求の権利は彼らにも認められているわけですが。
かく言う私も、イギリスに行ってた時は、ケバブ屋の前の路上に友だちとしゃがんでいたものです。あれはめちゃくちゃ楽しかった。
飯坂 言ってることとやっていることが違うじゃないですか(笑)。