「国家再生勲章」による衆生済度
インタビュアー 飯坂彰啓
運営者 念仏に対する強烈な動機づけは、地獄に対する恐怖だったんだそうです。地獄絵を見て、「どうすれば自分も済度されるだろうか」というのが、すべての人間に強烈なプレッシャーを与えていたんだそうですよ。
なんせ『往生要集』という極楽への道案内がベストセラーになったわけですが、それを書いた恵心僧都源信その人が、「自分も結局は救われないだろう」と思っていたくらいで、それって、リーダーを含めたみんながみんな迷える衆生になってしまったわけであって、それは今と状況があまり変わらないように思うんですけれど。
飯坂 末法の世ですからね。
運営者 だから迷える人間には、救いが必要なんですよ。
飯坂 じゃあ、迷える人間に救いさえ与えてやれば、リストラされても平気なの?
運営者 多分、精神的には。
飯坂 じゃあ、救いを与えればいいんだ。どうすれば救われるのかな。勲章でもあげるかな。リストラ勲章。「あなたは日本を救うために、あるいは天皇陛下のためにリストラされた英雄である」なんてね。「あなたには苦労をかけましたね」と、代表者に天皇から叙勲するのをテレビで放送すると。
運営者 「国家再生勲章」。
飯坂 顕彰碑を作って、そこに名前を刻み、式典をやってあげると。
運営者 今回の危機を乗り切るには、有効な手段かもしれませんね(笑)。
飯坂 情けないなぁ。
運営者 「自分の意識を入れ替えたくない」と思っている人には、そういう手段を使うしかないかもしれませんね。
飯坂 だって、変わりたくないと思ってるんだもん。それを無理強いするのは、彼らにとっては苦痛だよ。
運営者 苦痛かもしれませんが、正直者がバカを見ないように、まともに苦労してる人が報われるような世の中を作るためには、そうした痛みを甘んじて受けてもらわなければならないんです。
企業をリストラされたからといって、国家が勲章を与えるというのは、本当はいただけないですね。
飯坂 だって経費はあんまりかからないでしょう。
運営者 経費の問題ではなくて、民間企業の経営判断は、国には関係がないことだからですよ。リストラの責任を国がとるということになるとまずいわけです。責任はあくまでも経営者と株主にあるわけですから。
飯坂 そのかわり、国が資本注入するわけだから。それから信用保証協会の保証を受けた会社も必ずリストラさせるべきだ。
運営者 なるほど、一理ありますね。