人は旧日本人に生まれるのではない、
旧日本人になるのだ
インタビュアー 飯坂彰啓
飯坂 それはもう既に、自立した考え方ですよね。
運営者 そこなんですよ。僕がこの話をしていて、一番「違ってるかもしれないな」と不安に思うのは、そもそもが、今現在新日本人の人というのは、もともと新日本人なんですよ。実のことを言うと、社会人になってから、旧日本人から新日本人に変身したという人間を、僕は見たことないんです。
飯坂 そうか、それは大問題だな。
運営者 実際これは言うまい言うまいと思ってたんですけどね、「旧日本人から新日本人になった」と言っている人に会ったことがあるんです。そういう直接的な言い方はしませんけれど、まあそういうことです。
嘘ですね(爆)。
根っからは自立していない。やっぱりできないんです。これは本当に難しいんですよ。
飯坂 旧日本人と新日本人が1人の人間の中に同居しているというケースはあるよね。
運営者 雌雄同体みたいで気持ち悪いですね。
大抵の人は、今まで旧日本人の中にどっぷりつかっていたんだけど、ある部分新日本の方に片足を入れて、跨いでるんですよ。ほとんどの人は、「新日本人のこともわかるんだけど、やっぱりオレはまだ旧日本人だ」という人が、一番の多数派なんです。
飯坂 だったらまだ見込みがあるじゃない。
運営者 あると思います。そうじゃなかったら、こんなことを長時間かけて話したってまったくの無意味ですからね。でもどうなんだろうなあ、本当に変わっていくのかなあ。状況を測りかねますよ。
飯坂 いかに跨いでいる両足の重心を新日本人の方に持ってくるかという問題ですね。
運営者 もし僕自身が、旧日本人から新日本人に移行した経験を持っているのなら、「いや、できる」ときっぱり断言することができるのですが。そうじゃないですからね。
飯坂 ひょっとすると、逆かもしれない。生まれたときはどんな人でも新日本人なんだけど、だんだん旧日本人になっていってしまうのでは。
運営者 それはすごい!! そうかもしれませんね。
先天的には、いったいどっちなんでしょう。白紙なのかな。
飯坂 白紙でしょう。それを、旧日本的に教育をして行くんですよ。
運営者 人は旧日本人に生まれるのではない、旧日本人になるのだ!
わかった。僕は鈍感だから、染まらなかったんだ。気がつかなかったのかもしれない。
飯坂 そうかもしれませんね。学校の先生は、「君も旧日本人になりなさい」とちゃんと教えてくれていたかもしれない。