ディズニーランドの入園料が6,900円に値上げされて、年に何回も行っているリピーターが「もう行けない」と嘆いているのが報道されていますが、私はディズニーランドって好きじゃないんですよね。
あんなフェイクの空間に行って嬉しがれるというのが、私にはどうしても理解できません。全部作り物じゃないですか。本物の迫力ってのが全くないですよ。
ノイシュバンシュタイン城自体が鉄筋コンクリート造りのフェイクなのに、そのフェイクがシンデレラ城ですからね、念が入ってます。
ああいうのに何回も行ってると、現実からだんだん乖離したモノの考え方しかできなくなっちゃうんじゃないかと思いますけどね。わたしは日本でもヨーロッパでも、本物の歴史的遺物を見て、その意味やバックグランドに思いをめぐらせて、人間の社会はどのように変わっていくものなのかを考えるのが楽しいんですけれど。
夢の国も、たまにはいいかもしれないけど、中毒になっちゃうと、物事が見えなくなってしまうと思います。
だいたい日本では、 90年代末に復元ブームがあって、遺跡でも何でも復元してしまっていますから、いい加減な復元をしているところだと復元部分を割り引いて古の現実を想像する手間がかかるくらいです。想像で作るんだったら、遺跡を復元しないで欲しいと思います。
で、イスラムテロリストが日本人を拘束していますが、彼らはイラン・イラク戦争以来35年間戦争やっている、戦争しか知らない子供たちです。
生きている間、ずっと戦争してるんです。人殺しをしようが、人質をとって相手を脅かそうが、彼らにとってはそれが生きるための現実です。「夢」なんかありゃしませんぜ。
そういう世界に生きている彼らは、まさか世の中に、自分の息子が人質に取られているのに泣きわめいて命乞いするわけでもなく、9条とか地球とか原子力とか主張する、現実から程遠い理念の世界に生きている人たちがいるなんて考えもしないと思いますよ。日本が70年間戦争をしてないだけでも驚きなのに、さらにそこで9条が平和を守るとか地球がどうこう言っている。
捕まっているヨルダンのパイロットは、ヨルダン国民としては国を守るためにテロリストを殺した英雄です。これと天秤に掛けられているのが、「平和と地球と9条」が大切なマザーアースの息子ですよ。そりゃあね、後藤さんのやって来た仕事とマザーアースの主義主張はたぶん関係ないけれど、後藤さんが捕まったことでマザーアースが表舞台に出てきて、世界中に毒電波を発信している。
ここにある懸隔をどう考えればいいんでしょうかね。埋めようがありませんね。
まあ、マザーアースは久しぶりに出てきた本物です。やっぱりディズニーランドと違って、本物の迫力は違います。
散髪屋のおばちゃんと話していたら、彼女はテレビのニュースしか見ていないので、マザーアースが何者か解説してあげたら、「テレビで見た印象と全然違う、知らなかった・・」と絶句していました。テレビ局はマザーアースのインタビューから、9条とか地球とか原子力とかを全部編集でカットして流してますからね。
でも、そういう文化的背景のある人が、戦争しかないところに行って、ナイフを突きつけられてるって話ですよ。
現実を覆い隠そうとする圧力はとても強いので、どんなときもつねに積極的に掴み取る努力をしなければ、日本のような平和な島国では現実すら自分から遠いものになってしまっているのかもしれませんね。