■仕事とは会社に行くことだ / ビジネス・マインドを持つ3
若造 けれど、そういう関門をすべてクリアして、お客さんが満足してくれるような価値を提供できなければ仕事とはいえないよ。
お客さんのことを突き詰めて考えていくと、自分の心をお客さんに向けて完全に開いて、お客さんの立場に立って「どのようなニーズがあるのか」を考えることができるよね。そのとき、自分のエゴが消え去って、「無の境地」になっているんじゃないだろうか。そうなると、相手の気持ちに先回りして行動できるから、最高の「顧客満足度」を得られるはずなんだよ。そうすれば、自社のブランド価値は高くなるし、よい関係を続けられるはずだから、市場が縮小していく中でもうまくすれば売り上げを伸ばし続けることができるはずだ。
利己心を消して相手を100%受けいれてお客さんのことを考えなければ、本当のニーズを知ることはできないと思う。そして利己心を消して全体利益を考えることが、結局は売り上げを上げることにつながるはずだから、自分の利益につながるんじゃないんだろうか。
おやじ 「情は人のためならず」ということだな。
若造 お客さんのことよく知るためには、他人に対する理解を深め、人間についてよく考える必要があるよね。そして「物事の本質とは何なのか」を深く考える必要が出てくるでしょう。だから勉強し続けなければならないと思うんだ。
仕事をやっている限り、勉強が終わることはないとぼくは思うんだよね。
(この項終わり)