オプションはあくまで保険ではないんですけど
飯坂 次に、
オプションは、本来、未来の市場価格の変動リスクを軽減させる保険としての役割を担っている。
というのも、どうかなあと思います。確かにそういう説明の仕方をする人もいますが、オプションは保険ではありません。「オプションの原資産(対象となる指数等)を行使時期にストライクプライス(行使価格)で売る権利、もしくは買う権利」のことですから。ゼロサムであることには間違いありませんが、保険とは違います。
保険はアクチュアリに基づいてプライスをつけますが、ここに書いてあるように
守るべきものの価値を補てんする分だけの適量を売買された場合にのみ保険としての機能を持つ
というのはまた別の話で、これはオプションについての説明文には当たらないと思うんです。 それから、
もし保険を過剰に買った人がいれば、それはもはや保険ではなく、ハイリスク・ハイリターンのギャンブルであり、保険金詐欺の温床ともなりかねない
と書いてありますが・・・
運営者 それは保険じゃないじゃん。
オプション公式が現実のデータと合っていなかったということは、保険の機能を喪失した“保険モドキ”が売買されていたということなのである。
・・・って言うけど、オプションは保険だと言ったり、ギャンブルだと言ったり、短い中で、ずいぶん矛盾のある文章だな。
オプション以後に開発されたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)や債務担保証券(CDO)などの金融商品に、悪習はそのまま継承され、さらに増幅されていく。
これは論としてかなり厳しいなあ。理屈になっていない。
飯坂 「オプションが保険でない」という話が、CDSとは何かとか、CDOとは何か、サブプライムとは何かというところにつながっていく説明の仕方にやっています。
さらに先に進むと、
夢のような保険機能を持つ金融商品として世界中に大量に売りさばかれた。
と書いてありますが、これは全く事実とは違うと言えると思います。実際には、「格付けが高くて利回りが高い、リスクが低いと想定される商品として売りさばかれた」という言い方が正しいと思います。
運営者 そうですか(苦笑)、突っ込む気力もありませんが。
飯坂 そんなこと言わないで突っ込んでくださいよ。そこが一番突っ込まれ甲斐のあるところなんですから(笑)。
運営者 そんなに威張られても困っちゃうんですが(笑)。
飯坂 別に威張っちゃいませんよ。それから
世界の実物経済の規模を超える量にまでに膨れ上がった金融商品によって連鎖的に拡大した金融危機は、起こるべくして起こった人災だったのだ。
と書いてありますが、例えば外国為替取引などは実需の何倍にもなってますよねぇ。
運営者 ロンドンだと一日で150兆円とかになってますからね。