「社長解任」を年中行事にしよう
インタビュアー 飯坂彰啓
運営者 どうせなら、役員会で社長をクビにするというのを、年中行事にするといいんじゃないですかね。
そうすると社長も、「あんまりヤバイことやってたら、これで解任されるんだな」ってわかるじゃないですか。
飯坂 節分あたりにやりますかね。
運営者 社長が、「それではこれから2月の定例取締役会を始めます」と開会を宣言したら、専務あたりが手を挙げて、「私は代表取締役解任の緊急動議を提出致します。賛同する方はご起立願います」と発議するわけです。
飯坂 そこでクイズ。解任された社長は何になるでしょう?
運営者 解任の緊急動議が出た時点で、特別利害関係人になって、社長は議決権を封じられてしまいますよね。
飯坂 そうじゃなくて、解任された後で、社長はなんになるのかということですよ。
Q.三越の岡田社長が取締役会で解任されたら何なりますか?
1.無職
2.ヒラ従業員に戻る
3.ヒラ取締役に戻る
4..部長に戻る
たぶんこれがわかってないんだよ。取締役は解任できないんだから。
運営者 取締役の解任は株主の仕事ですよ。
じゃあ、そういうのをひとつ、毎年2月にやるようにすればいいですよね。
飯坂 専務が動議を提出して、決をとって、「賛同者が少ないためこの動議は廃案といたします」というのを前年やればいいんですよ。
運営者 毛利の藩主が、毎年正月に、臣下に「今年は江戸に攻め上らないのですか?」と聞かれて「時期尚早」というのを260年間続けていたようなものですよ(俗説という説もありますが)。
それくらいやらないとね。
飯坂 天皇に対してこれをやるのは怖いだろうね。
運営者 あくまでも社長は天皇ではないということを取締役は理解しなければならないんです。「何が水島天皇だ」と思いませんか。ナベツネとかさ。社長を指すのに天皇という言葉をつかっている時点で、ものすごいコーポレートガバナンス上の誤解がありますよね。天皇は株主だろうと。
なぜ社長が取締役会で解任できるかというと、それが会社法が定めているコーポレートガバナンスだからですよ。そして各取締役の役割は、それにのっとって進められているのだということを認識してもらわないとね。