リーダーを生む社会的な評価システムを
インタビュアー 飯坂彰啓
飯坂 経営者の給料が安いということもありますが、経営者なんだったら「クビになろうが路頭に迷おうが、無一文になろうとも、また一から始めて、事業をでっかくする」という気概がないと駄目ですよ。
運営者 そういう人がなぜいいのかというと、そのように自活できる人間は、何が起ころうとも自分の利害にとらわれない、目が曇らない決断ができるから、冷静な判断ができるからです。
経営者でも政治家でも、リーダーと呼ばれる人に求められている能力はそれなんです。
飯坂 そうそう。だけどそのリーダーが、日本では小さいじゃない。
運営者 何だろうなあー。
カエサルって究極のリーダーなんですよ。ローマ帝国の支配者ですからね。あんな奴いまだかつていないわけ。世界を支配しているわけで、アメリカ大統領よりもはるかに上なわけです。アメリカの大統領は、ビル・ゲイツをどうにもできないでしょう。ユダヤの勢力だって、どうにもできないわけ。しかしカエサルにはすべてが可能であった。だからアメリカ合衆国大統領はカエサルより格下なんです。そして彼は自らその地位を築いたんですから。
飯坂 ブルータスたちに殺されることも予想してたかもしれないしね。
運営者 そういうところを超越してたんですよ、人間的に。
日本では、リーダーの粒が小さいということはあるかもしれません。だけど小さな会社でも、きちんとした仕事をやっているリーダーであれば、その仕事振りを評価して、より大きな職場を与えるような社会的な評価システムがあればいいと思うんですけどね。
そうすれば社会的にリーダーを創り出せるわけですから。
飯坂 確かに、アメリカでは、有能な人が上に上がってますよね。まあ、妙な人も上がらないこともありませんが。
運営者 いいんですよ、無能な人が7割上に上がっても、有能な人が残り3割リーダーになっていれば。
飯坂 アメリカでは、有能な人間が出世する確率は、日本よりもはるかに高いと思いますよ。
運営者 そこが重要な点ですよ。それで「勝ち負け」が決まるんですから。
日本にそういうシステムがあるのであれば、国政の場には有能な奴がいくはずですよ。
飯坂 国会議員が無能だとは思いませんが。
運営者 無能ではなくて、ワルなのかな(笑)。