何が楽しくて生きているのかわからない人種
インタビュアー 飯坂彰啓
運営者 だけど、なぜ勲一等に価値があるのかというと、人々の「お上からそういうものをもらいたい」という意識が勲一等の価値を支えているからですよ。どうしてもお上を仰ぎ見たがるという……。それをぶち壊さないと。
飯坂 それと、「同業者の社長がもらっているから自分も欲しい」という横並び意識。老人ホームでばあさんを争うのと一緒ですよ。
運営者 だけどさあ、それだったら僕はばあさんの方がよっぽどましだと思いますよ、同じ争うのであれば。
「経営者の勲章」というのは、業績を上げられるか上げられないか、それだけだろうと思いますけどね。
飯坂 そんなことを考えなくても、日本の経営者は務まるんですよ。日本は社会主義国ですからね。
運営者 社会主義国なんだったら、株式会社じゃなくたっていいじゃないかという話ですよ。一応3000人なら3000人の株主がいるわけじゃないですか。企業としては、彼らと普通の消費者とほとんど変わらない扱いなんですからひどいね。配当すらしていない会社もあるわけだし……。それは会社のオーナーシップの限りない相対化ですよね。物事の本質を舐めてますよね。旧日本人というのは、この「相対化」が大好きなんです。本質をごまかせますからね。
だけどそんないい加減なことで、自分の人生を豊かにできると思ってるのかな。
何が楽しくて生きているのか、僕には理解できないなあ。
なんか若いときに、間違ってくっついた相手と結婚して子供ができて、週末になったら何をして過ごすか悩んで、しょうがないから近所のスーパー銭湯に行って風呂上がりにビールを飲んでゴロゴロして、大衆演劇を見て、また温泉に浸かってゴロゴロして、酒を抜いて車を運転にして家に帰って、サザエさんを見ながらまたビールを飲んで何が楽しいんだ、と。まあちょっと、言い方が悪いですけどね。
飯坂 どうなんでしょうねえ。
運営者 どうしてそういう循環的な日常の中に入って、出来の悪いウェブサイトの中に入って変なところでうろうろしているような人生を送らなきゃいけないのか。「お前はハツカネズミか」という話ですよ。
世の中には追求するべき価値があるんですよ。それは何なのかというと、いま自分が知っているものよりもさらに高次のものがあることを知っているかどうかなんです。
「究め尽くす」ということはないわけですから、「この先がさらに続いていて、先に行けばもっと自分が知らない面白いものや良いものがあるんだ」と考えれば、「それは何なのか」を知りたいという動機になるわけです。
飯坂 やっぱりハツカネズミなんですよ。小さいころは「ゲーム」、長じて「女と車」、社会人になってからは「女とゴルフ」にしか興味のないヤツは高学歴、高所得者層の中にもたくさんいます。
運営者 そいつらは、ロボトミー実験の対象にはなるかもしれないけれど、人類じゃないだろうということです。向上心を持った、文化的に進化すべき人類じゃあないね。
そういう人は悪いけれど、「庶民」という括りに入れるしかないと思うんですよね。