反市場主義者は、
市場を分断することで自分の取り分を増やす
インタビュアー 飯坂彰啓
運営者 そういう考え方をするから、旧日本人は自由競争を嫌うんでしょうね。そしてその舞台となる「自由市場」を目の敵にするんでしょう。
自由競争をやりたがっている人間は、「競争を通して今より合理的で効率的なことができるようになる」と思っているわけですが……。
飯坂 それと、競争を認める人間の特徴は、そういう人はみんなから認められた取り分以上のものは、自分の懐に入れないということですよ。
運営者 そして、「幾らまで取り分として取ってもよい」と決めるのは、市場であるということですね。市場で決められる価格×数と、仕入れ値の差が、その人の収入になるわけですから。
飯坂 ところが、市場を認めない人間は、市場を分断することによって、自分の取り分を一方的に増やそうとするわけです。
運営者 それは「不正な」取り分と言うことができると思います。その不正な取り分を守るために市場を認めないというのは、利己的な態度だと思いますね。
飯坂 彼らにとってみれば、自分たちの方が正しいと思っているでしょうね。
運営者 なぜなら、市場は信用できないからですよ。
飯坂 それから、例えば北海道であれば、北海道は貧しいからですよ。自分が貧しいければ、何をやっても正しいんです。
運営者 貧しいということが市場をねじ曲げる正統性になるわけですな。それはなぜかというと、旧日本人は「全員平等」でなければならないからなんです。
飯坂 北海道ってね、第一次産業と第三次産業しかないんですよ。雪印は貴重な第二次産業のひとつだったんだけど、あんなことになっちゃうし。要は、農産物を作っても石炭を掘っても、さして高く売れない。開拓使の後身の北海道開発庁が作ってくれた仕事で、ずうっと食べていたというわけです。
それと全く同じようなことを日本全国でやろうとしているわけです。なんでみんなそれに気づかないのかな。
運営者 そういえば、日本のホームレスって、でかい顔をして新宿駅の駅前の一等地にいたりしますよね。ヨーロッパには物乞いはいっぱいいるけれど、すまなさそうにやってますよ。それが分というものじゃないですか。
飯坂 だって別に、お恵みをもらっているホームレスなんていないでしょう。お恵みをもらいたいと思ったら、段ボールハウスなんか作ってたら誰もくれないよ。
運営者 そうするとですね、規制主義者というのは、物乞いのようなもんだ。国や業界全体にぶら下がる、放送禁止の「乞食」なんだと思いますけどね。
ところが彼らはそう思っていない。貧しいからおねだりするんだと思っている。最近はその理屈が通じないので、再販制度なんかは、文化の多様性を維持するため、なんて威張ってますよね。とんでもない。
これ、一億総おねだりしてるんですよ。