新日本人のメンタリティー■
利他精神
他人に対する自然な思いやりを持つ
自分に対して素直であることは、他人に対しても自然な思いやりを持つことにつながる。なぜなら、自分の普段の心の動きを通して、相手の気持ちをおもんばかることができるからである。「他人が自分と同じような心を持っているのなら、自分が感じることを他人も感じるはずだ」と考えるのは自然なことだ。そう思えば、人はジコチューから、相手を気遣い、相手のためを考えて行動するように一段階進化するだろう。
新日本人の思いやりは、相手を自分と全く同じ「個」としての人間存在として承認し尊重した上で、相手の利害を親身になって考える、本当の意味での思いやりである。そこに有効なコミュニケーションが可能となり、お互いのための関係構築の好機がある。
これに対して旧日本人の意味する「思いやり」は、ともすれば自分の利害を優先した、表面的で範囲の限定された思いやりであったり、あるいは見せかけだけで相手の実際の利益を配慮しない偽りのやさしさであったりする。これでは「どうして人を殺してはいけないの?」と大人に説明を求めているガキの頭の中身と基本的には変わらない。その問いに対して返答に詰まるのは、本人が自己中心的な意識を持っていることを示している。それでは社会人としての適格性を欠いていることになる。