新日本人のメンタリティー■
自己責任原則
根拠に基づいて合理的に判断し、自己責任でリスクを取る
新日本人が持つ「自己責任」の意識は、「自由」と裏腹の概念だ。その自己責任を支えているのはしっかりとした「自己認識」と、「合理的な精神」であろう。この二つを持ち合わせていなければ、読み筋を間違えて失敗を重ねてしまうので、自己責任原則に忠実であり続けることはできない。
自分がよくよく考えて行動した結果がうまくいけば、相応の報酬を手にするのは当然のことであるし、反対にうまくいかなければ、環境や他人のせいにするのではなく、「自分はなぜ失敗したのか」という原因を明らかにした上で、潔く責任を取る。それによって失敗の再発を防ぎ次の行動への足掛かりとするべきである。こうした姿勢は個人の自由な活動の場を守り続けていくためには、どうしても欠かせないものだ。
またもし彼が失敗の中から多くを学んだのであれば、復活のチャンスもまた与えられるべきである。経営センスを持つ者の数は多くないのだから、成長性の高いベンチャー企業を育成するためには、リスクを恐れない経営者にはチャンスを与え続けるべきだ。
減点主義で幹部を選抜する旧日本人流の組織文化では、一度失敗すると二度と這い上がれないわけだが、それはリスクテイクの姿勢を排除する内向きな組織文化である。新しい価値を生むためには、是非ともそうした内向きな文化を打破しなければならない。自己責任原則を踏まえた上で、失敗から学んだことを知識として広め、その轍を踏まぬようにする必要がある。前進の糧となるのであれば、失敗には十分な価値がある。