旧日本人の組織観 ■
徒党を組み、敵味方を分けたがる
部下の成長の芽を摘み取ってスポイルする
身内を集めて人垣をつくり自分の地位を保全しようとする
組織に寄生して顧みるところがない
人は城。人は石垣で、徒党を組んで人垣を作ろうとするのは旧日本人の通弊である。敵と味方を截分する政治的行動は、新しい価値を生む行為ではないのだが、それこそが価値に無関心な旧日本人のもっとも好むものであり、そこには仕事よりも多くの労力が注がれる。「身内」の仲間を増やす努力は、彼にとっては非常に建設的な努力なのだ。
毎日同じメンツで部下を引き連れて縄のれんをくぐる上司が、従順な部下に刷り込もうとするのは、いかに他人が無能であり仕事ができないか、いかに人事が不公正なものであるかということ。「だから勉強などしてもしょうがない、努力などしても意味がない、何か困ったことがあれば自分のところに来れば悪いようにはしない。失敗は見えないように隠匿してやる」といったことだ。旧日本人の中では、「自分が見なかったものは存在しない」という唯識論的存在論が罷り通っており、「やばいものは時期が来るまで隠しておけば、なかったことになる」と考えられている。誰も知ることがなければ、それはそもそも無かったことなのである。
これらは旧日本人が馴染んできた、体育会系の「なれ合い文化」のマイナス部分なのだ。