旧 日本人のネットワーク基礎能力■
4.「勉強しなくても、組織や地位が自分を守ってくれる」と信じているので、組織的学習を軽視している。組織的に「知」を作ろうとしていない
旧日本人は、組織的な学習や、情報共有についてもまったくその価値を認めていないので、営業情報のようなチームで共有しておいた方が有利になるはずの情報も、自分の頭の中に留め置いて、人に教えようとしない傾向がある。情報を秘匿して腐らせていたために機会損失が発生し、競合他社に負けたとしてもあまり問題には感じない。
旧日本人は情報の扱い方を知らぬ人種なのである。
彼らは企業間競争に決定的な意味を持つ「組織的学習」についても、建前としてしか受け取ってない。そもそも仕事のノウハウを人に伝えることや、「知」の開発という行為自体に興味が薄いので、それを制度化しようという意識を持つ人間は極めて少ない。むしろそのようなことは、地位のある人間にとっては「自らの特権性を脅かすもの」として疎じられるだろう。
旧日本人がビジネスマンでありながら「勉強なんかせずにすむ」と考えるのは、その組織に所属していることが完全な身分保証になっており、勉強して自らを磨かずとも失職する恐れがないからであろう。