新日本人のネットワーク基礎能力■
4.組織学習の仕組みを作り、全員で「知」を共有しようと努力する
「これまでの組織のままでよい」のであれば、新しい「知」を生み出す必要などない。しかしもし「組織を効率的に変えよう」「環境に対応させよう」とするのであれば、組織力を使った「知」の創出方法を積極的に取り入れる必要がある。
個人が「知」を得るプロセスは、まず何かに疑問を持ち、それから観察を始めてデーターを収集し、「これが正しいのではないか」という仮説を作って検証(経験)し、「やっばりそうか!」という気づきを得る。そうやって得られた新しい知見を連合させれば信念となる。
そうした個人個人が仕事の中で得ている気づきを組織全体に広げていけば、業務効率のアップになるし、さらに押し進めれば組織の全員のマインドセット全体が変わっていくこともありうる。組織風土が改革できる可能性もあるのだ。
旧日本型組織では、各々にコミュニケーション能力が欠けているので、お互いがお互いを「あいつはココが悪い」「あいつはコレができない」とバカにし合っている状態で、とても「お互いの気づきを学び合う」などという状態にはない。そこでは日々、たいへんな「知的ロス」が発生しているのだ。
そうした風土の中で、少なくとも新日本人は、「知」の創出を実践し、有益な情報を共有する努力をしなければならない。もし仕事の流れを決める権限を持つ立場にあるのなら、仕事を通した組織学習の仕組みをつくり、部下がその中で学び成長できる環境を整える配慮を行うべきである。