旧日本人のネットワーク運営力■
2.自分が理解できないものはすべて否定する。「異物と触れ合うことからなんらかの価値が生まれる」と思っていないから、理解力が欠けている
旧日本人は、「いま自分が所属している組織にそのまま居られれば他になんの問題もない」と自分自身の存在価値を限定して考えている。だから社外で、それまで馴染んでいない未知の異物に接した時に、それを「理解しよう」とする動機がないし、理解力が欠落している。「それは自分にとってどういう意味があるのか」が、感覚的にわからないのである。
どちらかというと新奇なものは最初から否定的に考える傾向がある。少しかじってみて、「よくわからないな」と直感的に思った場合には、否定する以上に考えを進められない。これまでの自分の認識にないものに初めて接触しても、それは今までの自分の考え方を変える方向にしか働かないわけだから、そこには彼にとっての価値はないのである。「いったん受け容れて、よく咀嚼してみて、分析の上判断する」などというプロセスは慮外である。
刻々とわれわれを取り巻く環境は変化し、新しい事物やノウハウが絶えず生成し、仕事のあり方も日々激動しているわけだが、自分の「心の扉」を開くつもりのない旧日本人は、その変化を前向きに受け止め、チャンスに転じることはできない。変化はあくまでも彼らにとっては脅威でしかないのだ。