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「新日本人/旧日本人」モデル


新日本人のネットワーク運営力■

1.ネットワーク・コミュニティの特性をきちんと理解している

 ・オープンな組織
 ・肩書きが関係ない平等な組織
 ・参加者同士が助け合う相互支援組織
 ・お互いが得をするWin-Winネットワーク
 ・面白さは参加者本人が見つけること
 ・個人間に自主的に価値ある関係を構築する
 ・参加者にコミュニティ維持のコミットを求める



 ネットワークとは何かについてきちんと説明しておかなければならないだろう。ここで言うネットワークとは、従来の組織の枠を超えて形成された個人間のつながりのことである。そこで生成された思考や行動のスタイルが、「知」として参加者に共有され、ゆるやかな共通認識となる。所属組織のしがらみや立場にとらわれないため、自由な情報の移転ができる。その中で、運営者が特定の目的性を持って参加者を募り継続している「場」をネットワーク・コミュニティと呼ぶ。


 そして「ネットワークにこそ宝の山がある」と考えるのが新日本人なのだ。なぜならば、ネットワークは参加のための障壁が低く、そこには自分の組織の中では得られない知恵や情報の効率的な学習機会や資源(へのアクセス経路)があるからだ。よいネットワークかどうかの評価は、人を介して提供される有益な知や資源の総量によって決まるだろうが、その評価基準は参加者個人によって異なるだろう。ある人には「これまでになく充実した素晴らしい場」でも、ある人にとっては「全くつまらない時間の無駄」でしかない。


 そしてそうした「知」はあくまで属人的なものであり、接触する相手との双方向のコミュニケーションがうまくいくかどうか次第で、その宝の山にアクセスするドアが開くこともある、というのがフラットなネットワークの特徴である。会社のように、そこにいて口を開いてさえいれば誰かが情報やノウハウを与えてくれるわけではない。チャンスの扉を開くのはあくまで自分の努力とコミットメントなのだ。
 ネットワークは、定期的に開かれる会合や、パーティーのような人と直接会える「場」と、コンピューター・ネットワークや会報のようなメディアで結びついているバーチャルな「場」の二つに大別されるだろう。そして多くはその両方を持っている。

 接触の頻度や深さなど、その有り様はさまざまで、組織特性は数限りなくあるが、良いネットワーク・コミュニティにはいくつかの共通する特性が考えられる。


 まず、オープンな組織であること。会社組織のように参加者を社員として固定したり、他者を排除するのではなく、自分のコミュニティにとって有益な人間をなるべく多く取り込もうとする。ただし半面、ネットワークの目的に有害であると運営者が判断した参加者は上手に排除されるような仕組みにしているのがよいネットワークであると言うこともできる。基本的には外部に対してオープンな姿勢を保っているが、かといって野放図に開放しているシステムではない。三六〇度に対して、半透過膜のような出入り口を持っているというイメージだろう。

 相互支援組織であること。精神講話や教祖の説教のようにだれかが一方的に情報や価値の出し手となり、みんながそれをありがたがって押し頂くのではなく、参加者がおのがじし得意なものを持ち寄って、相手に影響を及ぼしていこうとする。ギブ&テイクの関係が成り立っていなければならない。ここには旧日本人が大好きな「支配=従属関係」の影はない。一人の人間が一方的に情報発信したり、あるいはメリットを享受するようなバランスが崩れた状況になると、ネットワーク・コミュニティは長続きせず、やがて崩壊してしまう。それでも延々と続いているコミュニティは効率性が悪化しており、参加者の得るメリットは低いだろう。
 したがって、参加者おのおのが少しずつコミットすることによって、全員が得をするというWIN-WINの関係が成立していなければならない。そのネットワークに参加して、「自分は得るものがなかった」と思った人間はネットワークから脱落していくはずだから、ネットワークが求心性を保って成長を続けていくためには、WIN-WINの関係性を構築しておくことが不可欠の条件になる。

 またネットワーク・コミュニティの運営者は、会社組織における上司のように、参加者一人ひとり対して、目配りを尽くすことはできない。参加者の方から見ると、「自分にかまってくれない」とか、「うまく人と知り合えない」からといって、いちいち運営者に駆け込んでケアを求めることはできないということだ。ここでは旧日本人の得意技であるぶら下がりは許されない。他人に何かを期待するのでなく、参加者は自分で欲しいものを取りに行くことになる。
 コミュニティ内での自分の行動について運営者の了解が免罪符になると考えたり、いちいち許可を求められては、運営者はたまらない。運営者は裏方でしかなくて、コミュニティの中のルールはあくまでも参加者の合議によって民主的に決まるのである。
 参加者にはあくまでも自分自身の判断で行動し、ネットワークに対してコミットすることが期待されているし、そこで何かが起こったとしても自己責任原則で対処してもらう必要がある。ネットワーク・コミュニティへの参加になにがしかのチャンスがあるのなら、逆にリスクがあるのは当然のことなのである。


 ネットワーク・コミュニティから必死で何かを引き出そうとし、その反面自分からは何もコミュニティに貢献しようとしない人も困りものだ。例えばそこに人脈だけを獲りに行って、自分はだれも紹介しないといった利己的な人間が増えた場合は、そのネットワークは崩壊してしまう。
 ネットワークの参加者は各々平等であり、誰が目上で誰が目下という序列は基本的にはない。従ってそのネットワークから何を引き出せるかは、参加者個人個人の力量に委ねられている。参加者には、初対面の相手から信頼を勝ち取って、相手と深い情報交換ができるコミュニケーション能力が欠かせない。


 こうしたネットワークの特性を理解して、「そこに参加すれば、新たな人との出会いによって、自分自身の可能性を大きく広げられる」という認識を持った人間は、積極的にコミュニティに参加していこうと考えるだろう。誰も答えを教えてくれるわけではない。答えは自らネットワークに参加してコミュニケーションする中から探し出さねばならないのである。

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「新日本国」の夜明けは近いか






































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