旧日本人のビジネス・マインド■
7.集団的思考停止、戦略性欠如
意思決定システムの中に責任者・判断者がいない
管理職は社内資源の動かし方を決める権限を持っている。彼がもし非合理的で戦略性のない行動計画や人員配置を立てた場合には、多くの人間がまったく無駄な動きをしてしまうことになり、結果としてチームのパフォーマンスは低くなってしまう。このようなことを平気で繰り返す管理職には、「自分は機会損失という損害を会社に与えている」という事実を認識しない。
旧日本人は「自分は管理職としての役割を果たして有益な価値をつくり出さなければならない」という自覚もない。彼が意識しているのは、「今を生きる」ということだけだ。だが「明日のために」生きることが、文明人の文明人たる所以なのである。
繰り返しになるが、旧日本人の意識の中には「生きる」という自己の存在認定だけがあり、「ではどう生きるべきか」という方向性や、それを決定づける価値観がない。それどころか、そうした価値観の必要性にすら気づいていないのだ。彼にとっては「自分の存在が認められている」こと以上のものは必要ではないし、余計なことでしかない。このような人物をいったいどう扱えばいいのだろうか。