自由市場で闘い続けなければ
「マーケットの変質が不況の原因のひとつならば、外国製品を規制すればいいじゃないか」と思う人もいるかもしれません。規制緩和の努力は80年代以降ずっと続けられてきました。その結果として外国の資本や商品やサービスが日本にドッと入ってきたわけです。しかしそれらを閉め出してしまうことに正当性があるでしょうか。
日本はそれまで、自由貿易のメリットを最大限受けて経済成長した国であることを忘れてはなりません。外国製品を閉め出したら、当座はよいかもしれませんが、長い目で見ると国際競争力のある商品をつくる能力を失ってしまうでしょう。だからわれわれはあくまでも、自由市場で戦い続けなければならないのです。
優れた商品のアイディアはどこから生まれてくるでしょうか。決して政府がそれを与えてくれるわけではありません。われわれ自身が取り組む以外に道はないのです。オープンな市場で勝てる商品をつくれなければ生き残れない、そう考えると政府の差し出すタコ足に食いついて、安心している場合ではないという気がしてきますよね。