タコツボから飛び出した改革者たち
そこでやむにやまれず「新しい価値をつくらなければならない、変えなければならない」と立ち上がったのが改革者たちです。逃げていてもどうにもなりません。改革者たちは出口は改革にしかないのを知っているのです。
改革者たちはわれわれが直面した閉塞に突破口を開こうとしているのです。改革者たちはタコツボにはまらないために、守旧派や中間派のタコたちとは違う行動パターンを心がけています。その違いが守旧派の人たちには気に入らないのだと思いますが、助かる道はここにしかないのだから改革者を妨害するのはよした方がいいと思うのです。
守旧派の人たちはビジネスの機会や取引関係を自分たちで独占してきたわけですが、改革者たちはどんな場面でも、利己的な癒着を排除しようします。チャンスはあらゆる人にオープンであるべきだからです。彼らは開かれたチャンスを活かして、それまでになかった、役に立つ商品やサービス、あるいはすぐれた仕事の方法を見いだそうとします。
そして自分の持たない能力や資源を持つ新しい仕事相手を探してパートナーーを組もうとします。また改革者たちは、自分が新しい価値をつくるだけでなく、誰かがつくったまったく新しいものの値打ちをきちんと評価し、よければ「これは役に立つ」と称賛していち早く取り入れ、人にも勧めます。悪ければ、親会社や関係企業の商品やサービスでも購入しないようにして、代替商品を探します。
改革者が持っている意識は、「タコツボから飛び出して自分で価値をつくるのだ」という自立意識です。だれにも影響されずに自分で道を決めて行動し、自分が「これは値打ちがある」と思うものを追い求め、過去の自分を常に乗り越えていこうとする意識を持っているのです。
タコツボ社会の克服に必要なものは何よりも、自立意識なのです。