2種類の日本人がいる---旧日本人と新日本人
タコ社長たちのそれなりの言い分
新日本人をせせら笑っている旧日本人は、座して死を待つのみ。
ビジネスマンの中には、タコ社長一派と改革派がいます。改革派は鋭い現状認識にもとづいて「自分たちの仕事を大きく変えないと生き残れない」と焦っているし、守旧派のタコ社長たち(と中間派)は「ピンチはこれまでに何度もあったけど頭を低くしていれば通り過ぎていくものだ、変革などまったく必要ない」と、自分の弱さをごまかしつつあくまでのんびり構えています。
わたしはここで、日本人全員を大きく2種類にわけて、ニックネームをつけたいと思います。「これまでのあり方を守りたいと思っている人たち」という意味で、タコ社長たち守旧派と中間派の人びとをまとめて「旧日本人」と呼びたいと思います。彼らは世間一般やうるさい上司が「改革すべし」と言っていので、自分たちも世間の流行にあわせて付和雷同的に「改革をしよう」と口先では調子を合わせていますが、実際のところは本気で改革するつもりはなく、「このままで行ければいいや」と思っています。
改革をしたがらない人には、それなりの理由があるのです。勤め人は気楽なもので、タコツボの中にいるとさし迫った危機感を感じないものです。改革を行えば当然仕事のやり方を変えなきゃいけないし、力仕事になるので「いやだなあ」と思っている人もいるでしょう。「いまさらここまできて、自分の仕事を変えられないし、どうせ無理をして改革にチャレンジしても何も変わらないだろう」とタカをくくっているわけです。
もっと合理的な理由もあって、守旧派の人たちはいま自分がいちばん得をするポジションにいるわけですから、新規参入者が入ってきたり自分のやり方を第三者にチェックされては損なのです。だったら「変えたい」と思う人はいませんよね。
それ以外に、自分を見失ってどうすればいいのかはまったく分からなくなっている人もいます。今の仕事以外の方法を知らないので、どちらの方向に変えればよいのか見当がつかないわけです。不勉強な人は、自分が知らない方法を主張している改革派よりは、「今までのままでいいんだよ。まったく問題はないんだよ」と言っている守旧派や中間派の人たちの甘言に共感を覚えがちでしょう。