タコ社長たちのそれなりの言い分2
さらに部下の中には、「これまでなんとかなったんだから、業務改革をしろという上司の号令も、単に言っているだけだろう」と思って受け流してしまう人もいます。
ふつう人は物事を「こうあってほしい」と勝手に解釈して、自分が見たくないことや聞きたくないことは受け容れようとしませんから、差し迫った改革の必要性をいくら説明しても「聞きたくない」と思っている相手には伝わらないものなのです。
最後に、これはどうにもしようがないことですが日本人の国民性として、「自分のいる組織や環境の安定を求め、急激な変化をきらう」という根っからの保守的なパーソナリティーがあります。そういう人は少なくないし決して不思議なことでもないのです。これだけいろいろな理由を並べたてることができるのですから、自分から改革の中に飛び込んでいく人が少ないのも当然といえば当然のことでしょう。
結局ほとんどの人たちは、どちらかというと改革に非協力的な中間派の人びとか、悪くすれば改革者の足を引っ張ったり、引っかけて転ばせようとする悪意のある守旧派になるわけです。
だけどこのまま各企業がビジネスを変えずに進んでいったら日本経済はどうなるでしょうか。復活する兆しがあると思われますか? わたしにはそうは思えません、それどころか最悪のシナリオが待っています。どんなによいアイデアもタコ一派が退けているうちに会社はどんどんじり貧になり、日本経済はアジア諸国の中で没落の一途をたどらざるを得ないと思います。何も変えようとしない守旧派と中間派の人たちは、まさに座して死を待つのみです。しかもそれを自覚していないところが悲劇的的なのです。集団で海に飛び込んで自殺するレミングのようなものですね。