ガバナンスがないからデタラメなんだ
共同体社会がデタラメなのは、資本主義的な理屈が全然通用しないから。
望ましい企業統治
なぜいい加減なお神輿経営が許されるのでしょうか。日本企業のデタラメぶりについて、コーポレート・ガバナンス(企業統治の仕組み)の面からもう少し考えてみましょう。
本来望ましい会社の姿は、こんなでたらめを許すものではあってはなりません。会社の所有者は株主であり、株主は会社の最高意思決定機関である株主総会の場で、役員の任命をはじめとする重要な決議を下します。会社というのはそもそもは利益を上げるための目的追求システムなのですから、みんなきちんと働いてもらわなければなりません。株主が任命した取締役には、取締役会で経営を監視する役目があるのです(ここが日本企業ではかなりおろそかになっています)。
社長(CEO)や役員(執行役員)は、取締役会の決議にもとづいて業務を執行します。社員も役員も、儲からなかったらクビにされてしまいますから、お互いが厳しく監視しながら仕事をしますし、必死になって経営のブロとしてのビジネススキルを磨きます。
このようなけん制システムによって社員みんながまともに働き、それによって上げられた利益の一部を配当して、それをまた株主が資本として再投資するという資本主義的な循環が企業システムに求められているものなのです。