【働く哲学】
また新日本人は、人間は一人一人得意分野が違うことを知っていますから、「自分に足りない部分があったとしてもそれを補ってくれる人を社内外で見つければ問題ない」と考えています。
だから新日本人は必要なときに助けてくれる有能な社外の人材を知っている必要があります。そこで彼は、積極的に会社の外に出かけていってネットワークをつくる活動を重視します。会社の中の資源はこれだけ環境変化が激しい時代にはすぐに陳腐化してしまいます。したがって会社の外に常にアンテナを張っておいて、必要なものはすぐに手のうちに入れられるようにしておかなければ出遅れてしまうでしょう。
新日本人が社外の人と組むときには、もちろん対等な立場でのパートナーシップを組みます。「それがお互いにとっていちばんメリットが得られる関係だ」と知っているからです。旧日本人のように支配=従属関係をつくって安心しても、そこから得られる相乗効果が少なければビジネスに負けてしまいます。それではばかばかしいですからね。
このような新日本人の意識は、会社という共同体からの精神的な自立をきっかけにして、そのまわりにでき上がってできたものです。したがって、この10年くらいなの間に急速に姿を現してきた、まったく新しい日本人ビジネスマンのあり方だと考えてよいのではないでしょうか。
このような意識が備わった新日本人ビジネスマンがこれからの日本ではどんどん増えてきて、ゆくゆくは旧日本人ビジネスマンと全部入れ替わってしまうはずです。それと並行してビジネスの文化も今とはまったく違ったものになるでしょう。そうなったときに日本企業は、外国企業とまともに戦えるような戦略性を持った会社に変身し、それ以外の旧日本型企業は市場から退場を宣告されてていくはずです。
ビジネスと日本経済を救えるのは、新日本人ビジネスマンだけなのです。